港区赤坂・赤坂見附の歯医者・矯正歯科「赤坂B&S歯科・矯正歯科」です。
歯の噛み合わせは、単に食事をする機能だけでなく、顔の見た目や全身の健康にまで大きく影響することをご存じでしょうか。噛み合わせが悪い状態を放置すると、顔の歪みや慢性的な頭痛、肩こりといった不調につながるだけでなく、将来的に歯を失うリスクを高める可能性もあります。この記事では、噛み合わせが悪くなる主な原因から、放置した場合に生じる具体的な5つのリスク、さらには歯科医療で提供されている治療法までを詳しく解説していきます。
噛み合わせの違和感は「そのうち治るだろう」と軽く考えられがちですが、早期に適切な対応をすることで、身体への負担を最小限に抑え、快適な日常生活を取り戻すことができます。ご自身の噛み合わせに少しでも不安を感じている方は、ぜひこの記事を参考に、健やかな未来のための第一歩を踏み出してみませんか。
あなたの噛み合わせは大丈夫?まずはセルフチェックで確認
噛み合わせの問題は、日常生活の中で徐々に進行していくため、自分ではなかなか気づきにくいものです。しかし、放置するとさまざまな体の不調につながる可能性があります。このセクションでは、ご自身の噛み合わせの状態を客観的に見つめ直していただくために、日々の生活に潜む「症状のサイン」や「自宅で簡単にできるチェック方法」をご紹介します。
これらのセルフチェックは、あくまで歯科医院へ相談すべきかどうかの一次的な判断材料です。少しでも気になる点があれば、専門の歯科医師に相談するきっかけとして活用してください。
こんな症状は噛み合わせが悪いサインかも
噛み合わせの悪さは、口の中だけでなく全身にさまざまな症状として現れることがあります。以下に挙げる症状に心当たりがある場合、噛み合わせが影響しているかもしれません。
食事の時に、無意識のうちにいつも片側だけで噛んでいる
口を大きく開けたり閉じたりする際に、顎の関節から「カクカク」「ゴリゴリ」といった音が鳴る
頬の内側や舌を頻繁に噛んでしまう
起床時に顎の周りがだるい、またはこわばりを感じる
人前で話すときに、以前よりも滑舌が悪くなったように感じる
特定の歯にだけ負担がかかっているような違和感がある
口を閉じているときに、上下の歯が当たる位置がしっくりこない
首や肩の慢性的なこりや痛みが続き、改善が見られない
頭痛やめまいが頻繁に起こる
歯並びが徐々に悪くなってきたように感じる
これらの症状は、噛み合わせの異常が原因である可能性を示すサインです。ただし、これらの症状が必ずしも噛み合わせの悪さを意味するわけではなく、他の原因であることもあります。自己判断せずに、まずは歯科医師に相談することが大切です。
自宅で簡単!噛み合わせの歪みを調べる方法
ご自身の噛み合わせに歪みがないか、ご自宅で簡単にできるチェック方法を3つご紹介します。鏡を見ながら、リラックスした状態で行ってみてください。
1. 上下の歯の中心線のズレを確認する方法:鏡に向かって軽く口を閉じ、上の前歯と下の前歯の真ん中を結ぶ線が、顔の真ん中の線と一致しているか確認します。線が大きくずれている場合、噛み合わせに歪みがある可能性があります。
2. 「イー」と口を横に開いた時の歯の並びや、唇の歪みを確認する方法:もう一度鏡に向かい、「イー」と発音するように口を横に大きく開いてみましょう。このとき、上下の歯の並びに大きな不揃いがないか、また口角の高さが左右で異なっていないかを確認します。唇の歪みは、顔の筋肉の使い方の偏りを示していることがあります。
3. 割り箸を使って噛み合わせの水平を確認する方法:清潔な割り箸を横にして奥歯で軽く噛み、鏡で割り箸が地面に対して水平になっているかを確認します。もし割り箸が傾いている場合、噛み合わせのバランスが左右で異なり、顎が歪んでいる可能性があります。
これらのセルフチェックは、あくまでご自身の状態を簡易的に把握するための目安です。正確な診断や適切な治療のためには、必ず歯科医院で精密検査を受けることが不可欠です。少しでも気になる点があれば、迷わず専門家である歯科医師にご相談ください。
噛み合わせが悪いまま放置する5つの深刻なリスク
噛み合わせの悪さは、単なるお口の中の問題だと軽く見られがちですが、実は全身の健康にまで深刻な影響を及ぼす可能性があります。このセクションでは、噛み合わせの悪さを放置することで生じる具体的な5つのリスクを深く掘り下げていきます。
見た目の変化はもちろんのこと、原因不明の全身の不調、大切な歯への直接的なダメージ、そして日常生活に大きな支障をきたす顎関節症の発症、さらには虫歯や歯周病のリスク増加まで、多岐にわたる問題につながる可能性があることをご理解いただけるでしょう。これからそれぞれのリスクについて詳しく解説していきますので、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
リスク1:顔の歪みやほうれい線など見た目への影響
噛み合わせの悪さが、お顔の見た目に影響を与えることは意外に思われるかもしれません。しかし、噛み合わせが悪いと、顎を動かす筋肉(咀嚼筋)に左右で不均衡な力がかかり続け、特定の筋肉だけが過度に発達してしまいます。たとえば、片側ばかりで噛む癖があると、その側のエラの筋肉が発達し、顔が非対称(歪み)に見えることがあります。
この左右の筋肉のバランスの崩れは、顔全体の表情筋にも影響を及ぼします。口周りの筋肉が正しく使われないと、口角が下がって不機嫌そうに見えたり、ほうれい線が片側だけ深く刻まれたりすることもあります。これは、顔の筋肉が常に緊張状態にあることや、血行不良などが複合的に絡み合って生じる現象です。
このように、噛み合わせの悪さは、ご自身の気づかないうちに、お顔の印象を左右するほど見た目に大きな影響を与えている可能性があるのです。
リスク2:原因不明の頭痛・肩こり・めまいなどの全身の不調
噛み合わせの異常は、お口の中の問題に留まらず、全身の健康にまで影響を及ぼすことがあります。特に、原因不明の頭痛、肩こり、めまいといった症状の陰に、噛み合わせの問題が潜んでいるケースは少なくありません。
顎の筋肉(咬筋)は、首や肩の筋肉と密接につながっています。噛み合わせが悪いと、常に顎の筋肉が過度に緊張し、その緊張が連鎖的に首や肩の筋肉にも伝わります。この慢性的な筋肉の緊張は、血行不良を引き起こし、頭痛(特に緊張型頭痛)や頑固な肩こりの主な原因となります。
さらに、顎関節の位置のズレが耳の奥にある三半規管に影響を与え、平衡感覚が乱れることでめまいを引き起こしたり、耳鳴りの原因になったりする可能性も指摘されています。もし、長年原因不明の全身の不調に悩まされているようでしたら、一度噛み合わせの状態を歯科医師に相談してみることをおすすめします。
リスク3:歯が割れる・すり減る|歯への直接的なダメージ
健康な噛み合わせでは、食べ物を噛む力が歯全体に均等に分散されます。しかし、噛み合わせが悪い場合、特定の歯にだけ過剰な力が集中してかかり続けることになります。これは、一本の歯に重い荷物を背負わせるようなもので、歯にとって非常に大きな負担となります。
その結果、特定の歯が欠けたり、小さなひびが入ったりするリスクが高まります。さらに、強い力が継続的に加わることで、最悪の場合、歯が根元から割れてしまう「歯牙破折(しがはせつ)」という重篤な事態に至る可能性もあります。歯牙破折は、その歯を失う原因にもなりかねません。
また、就寝中の歯ぎしりや日中の食いしばり(ブラキシズム)を併発していると、歯にかかる力はさらに増大し、歯の表面が異常にすり減っていく「咬耗(こうもう)」が加速します。歯がすり減ると、内側の象牙質が露出し、冷たいものや熱いものがしみやすくなる知覚過敏を引き起こす原因にもなります。
リスク4:顎関節症の発症(口が開かない・音が鳴る)
噛み合わせの異常が原因で、顎の関節とその周辺に痛みや機能障害が起こる病気を「顎関節症(がくかんせつしょう)」と呼びます。噛み合わせが悪いと、顎の関節(顎関節)に継続的な負担がかかり、関節円板と呼ばれるクッションがずれたり、関節そのものに炎症が起きたりして、顎関節症を引き起こします。
顎関節症の主な症状は、大きく3つあります。一つ目は「開口障害」といい、口を大きく開けられなくなる状態です。食事がしにくくなったり、あくびがしづらくなったりと、日常生活に大きな支障をきたします。二つ目は「関節雑音」で、口を開け閉めする際に「カクカク」「ジャリジャリ」といった音が鳴る症状です。そして三つ目は「顎関節痛」で、顎やその周辺、耳の前あたりに痛みを感じます。
これらの症状が悪化すると、食事や会話が困難になるだけでなく、顔の歪みや頭痛、肩こりといった全身の不調もさらに悪化させる可能性があります。顎に違和感がある場合は、放置せずに早めに歯科医院を受診することが大切です。
リスク5:虫歯や歯周病になりやすくなる
噛み合わせの悪さは、歯並びの乱れを伴うことが多く、これが口腔内の衛生環境を著しく悪化させる原因となります。歯が重なり合っていたり、傾いて生えていたりする部分は、歯ブラシの毛先が届きにくく、丁寧に磨いても食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすい「磨き残し」ができやすくなります。
プラークは虫歯菌や歯周病菌の温床となるため、これが口腔内に長く留まることで、虫歯や歯周病のリスクが飛躍的に高まります。また、歯並びが悪いと、唾液による自浄作用も十分に働きにくくなるため、さらに菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
一度虫歯や歯周病が進行してしまうと、痛みを伴うだけでなく、治療に時間と費用がかかることになります。さらに、歯周病は口臭の主な原因の一つでもあります。噛み合わせの悪さを放置することは、将来的なお口の健康を損なうだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があることを理解しておく必要があります。
なぜ噛み合わせは悪くなるのか?考えられる主な原因
噛み合わせが悪くなる原因は、一つに特定できるものではなく、実は複数の要因が複雑に絡み合っています。生まれつきの骨格の問題から、日々の何気ない癖や生活習慣、さらには過去の歯科治療の影響まで、さまざまな要素が噛み合わせのバランスを崩してしまうことがあります。このセクションでは、噛み合わせの悪化につながる主な原因を具体的にご紹介します。ご自身の生活を振り返り、思い当たる点がないか確認してみてください。
先天的な歯並びや骨格
噛み合わせの不正の根本的な原因の一つとして、遺伝的な要因、つまり生まれつきの歯並びや顎の骨格が挙げられます。親から受け継いだ骨格の特性により、例えば下顎が小さい「出っ歯」や、逆に下顎が大きい「受け口」、顎の幅が狭く歯が綺麗に並びきらない「叢生(そうせい)」など、骨格性の不正咬合が生じることがあります。
このような先天的な問題は、ご自身でのセルフケアだけでは改善が非常に難しく、専門的な治療が必要となるケースがほとんどです。具体的には、歯列矯正治療や、場合によっては外科手術を併用した矯正治療が検討されます。早期に歯科医師に相談し、適切な診断を受けることが大切になります。
歯ぎしり・食いしばりなどの癖
睡眠中や日中の無意識な癖が、時間をかけて噛み合わせを少しずつ変化させてしまうことがあります。特に注意したいのが、歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)です。これらの癖は、食事の際に奥歯にかかる力の何倍もの強い力が、歯や顎に継続的にかかる状態を指します。
強い力が繰り返しかかることで、歯が大きくすり減ってしまったり、歯が少しずつ移動したり、さらには顎の関節(顎関節)に大きなダメージを与えたりすることがあります。慢性的なストレスは、これらの癖を助長する大きな要因となることも知られています。自覚症状がない場合でも、歯のすり減りや顎の違和感がある場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。
頬杖・片側噛み・口呼吸などの生活習慣
日常生活の何気ない習慣も、長期的に見ると顎の成長や歯並びに悪影響を及ぼし、噛み合わせを悪化させる原因となることがあります。例えば、頬杖をつく癖は、片方の顎に継続的に不均等な圧力をかけるため、顔の歪みや噛み合わせのズレを引き起こすことがあります。
また、食事の際に決まって片側だけで噛む「片側咬み」の癖も、顎の筋肉のバランスを崩し、噛み合わせの歪みにつながります。うつ伏せ寝も顎に負担をかける習慣です。さらに、口呼吸の習慣がある場合、舌の位置が本来あるべき上顎ではなく下顎に位置することが多く、これが歯並び全体に影響を与え、噛み合わせの悪化を招く可能性があります。
虫歯治療の中断や抜歯後の放置
過去の歯科治療の状況も、噛み合わせに影響を与えることがあります。虫歯治療で歯を削った後、仮歯のまま長期間放置してしまったり、治療を途中で中断してしまったりすると、隣の歯が傾いたり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりして、周囲の歯が動いて噛み合わせが狂ってしまうことがあります。
また、やむを得ず歯を抜いた後、ブリッジやインプラント、入れ歯などの補綴処置をせずに放置することも大きなリスクです。抜けた歯のスペースを埋めようと、隣の歯が倒れ込んできたり、噛み合っていた歯が伸びてきたり(挺出)して、全体の噛み合わせのバランスが大きく崩れてしまいます。これにより、部分的な問題から全体的な噛み合わせの不調へと発展するケースも少なくありません。
気になる噛み合わせの治療法|選択肢と費用の目安
噛み合わせが悪く、顔の歪みや頭痛、肩こりなどの不調でお悩みの場合、その原因や症状の重さ、そして患者様ご自身のライフスタイルやご希望によって、最適な治療法は多岐にわたります。このセクションでは、噛み合わせの改善に用いられる代表的な治療法として「矯正治療」「補綴治療」「スプリント療法」「外科手術」をご紹介します。それぞれの治療法がどのようなものか、そして費用がどのくらいかかるのかを具体的に解説し、ご自身の状況に合った治療を見つけるための参考にしていただければ幸いです。
矯正治療:歯並び全体を動かして根本から改善
噛み合わせの根本的な原因が歯並びの乱れにある場合、矯正治療は非常に有効なアプローチです。単に見た目を整えるだけでなく、歯を適切な位置に移動させることで、顎関節への負担を減らし、咀嚼機能や発音の改善、そして長期的な口腔内の健康維持を目指します。歯並び全体を根本から改善することで、再発のリスクを低減し、全身の健康にも良い影響をもたらします。次項では、矯正治療の中でも代表的なワイヤー矯正とマウスピース矯正について詳しく見ていきましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」という小さな装置を取り付け、そこに細いワイヤーを通して力を加えることで歯をゆっくりと動かしていく、伝統的で実績のある矯正治療法です。幅広い症例に対応できる柔軟性があり、重度の歯列不正や複雑な噛み合わせの問題にも適用可能です。ただし、装置が目立ちやすいことや、食べ物が挟まりやすく歯磨きがしにくいといったデメリットもあります。
費用の目安としては、およそ80万円から120万円程度となることが多いです。治療期間は、症例の難易度にもよりますが、一般的に1年半から3年程度の期間を要します。定期的な調整のために通院が必要となるため、治療期間中も歯科医師との密な連携が重要になります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを段階的に交換していくことで歯を動かす、近年人気が高まっている矯正治療法です。インビザラインなどが有名で、透明な装置のため目立ちにくく、食事や歯磨きの際には取り外すことができるため衛生的である点が大きなメリットです。人前で話す機会の多い方や、矯正治療中の見た目を気にされる方に選ばれています。
一方で、患者様ご自身で1日20時間以上の装着時間を守る必要があるため、自己管理が重要になります。また、対応できない難症例がある場合もありますので、まずは歯科医師にご相談ください。費用の目安は70万円から110万円程度で、治療期間は1年から2年半程度が一般的です。
補綴治療:被せ物や詰め物で高さを調整
補綴(ほてつ)治療は、歯を動かす矯正治療とは異なり、被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)を用いて噛み合わせのバランスを調整する治療法です。過去の治療で入れた被せ物や詰め物の高さが合っていなかったり、特定の歯がすり減ってしまったりして噛み合わせが悪くなっている場合に特に有効です。健康な歯を大きく削る必要がない場合は、比較的短期間で治療を完了できるメリットがあります。
しかし、健康な歯を削る必要がある場合もあり、一度削った歯は元に戻りません。また、セラミックやジルコニアといった審美性の高い素材を選ぶと費用は高くなりますが、保険適用外となるため、費用は使用する材料によって大きく異なります。治療計画を立てる際には、歯科医師とよく相談し、ご自身の希望に合った素材や治療法を選択することが大切です。
スプリント療法:マウスピースで顎の負担を軽減
スプリント療法は、就寝中などにオーダーメイドで作製した透明なマウスピース(スプリント)を装着することで、顎関節への負担を軽減し、顎関節症の症状緩和や歯ぎしり・食いしばりによる歯へのダメージを防ぐことを目的とした治療法です。スプリントを装着することで、顎の関節を安静な位置に導き、顎周りの筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
この治療法は、噛み合わせそのものを根本的に改善するものではなく、主に症状の緩和や、矯正治療や補綴治療の前段階として顎関節を安定させるために用いられる対症療法としての側面が強いです。スプリント療法は保険が適用される場合もありますが、使用する素材や種類によっては自費となることもありますので、歯科医院でご確認ください。
外科手術:骨格に問題がある場合
噛み合わせの悪さが、歯の並びだけでなく、上顎や下顎の骨格そのものに大きなズレや変形がある場合(顎変形症など)には、外科手術を伴う矯正治療(外科的矯正治療)が選択肢となります。これは、歯を動かすだけでは改善が難しい症例に対して行われる、最も大掛かりな治療法です。顎の骨の一部を切って移動させ、プレートなどで固定することで、骨格レベルから噛み合わせを改善します。
外科手術は入院が必要となり、体への負担も大きいですが、劇的な改善が期待でき、顔の印象も大きく変わることがあります。通常は、手術の前後に矯正治療を併用して歯並びを整えていきます。骨格性の問題に対する治療であるため、健康保険が適用される場合もあります。まずは精密検査を受け、ご自身の状態に最適な治療法を歯科医師と十分に相談することが重要です。
噛み合わせ治療で後悔しないための歯科医院選びのポイント
噛み合わせの問題は、見た目の印象だけでなく、全身の健康にも深く関わるデリケートなものです。そのため、信頼できる歯科医院を見つけることは、治療を成功させる上で非常に重要な要素となります。噛み合わせの治療は専門性が高く、場合によっては長期間にわたることもありますので、安易に歯科医院を選んでしまうと、後悔につながる可能性もございます。これからご紹介する3つのポイントを参考に、ご自身に合った歯科医院を慎重にお選びください。
精密な検査(CT・セファロ分析など)を行っているか
噛み合わせの治療において最も大切なのは、現在の状態を正確に診断することです。そのためには、単に歯型を取るだけでなく、精密な検査設備が整っている歯科医院を選ぶことが重要になります。
通常のレントゲン撮影では確認できない、顎の骨の構造や厚み、神経や血管の位置などを3次元的に把握できる「歯科用CT」の有無は特に注目すべき点です。また、顔全体の骨格のバランスや、顎と歯の関係性を詳細に分析するための「セファロ(頭部X線規格写真)」を用いた分析を行っているかどうかも確認しましょう。これらの精密な検査によって得られる客観的なデータに基づいて、医師があなたの噛み合わせの問題の根本原因を特定し、一人ひとりに最適な治療計画を立てることが可能になります。
精密な検査設備が充実していることは、正確な診断と効果的な治療計画のために不可欠であり、歯科医院選びの重要な判断基準となります。
複数の治療選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを説明してくれるか
噛み合わせの治療には、矯正治療、補綴治療、スプリント療法、外科手術など、さまざまなアプローチがあります。それぞれの治療法には、得意な症例、治療期間、費用、そしてメリット・デメリットが存在します。信頼できる歯科医師は、特定の治療法だけを強引に勧めるのではなく、あなたの状態や希望に合わせて、複数の治療選択肢を提示してくれるはずです。
また、それぞれの治療法について、メリットだけでなく、デメリットやリスク、費用の目安、治療期間などを公平かつ丁寧に説明してくれるかどうかも重要なポイントです。疑問や不安に対して真摯に耳を傾け、わかりやすい言葉で説明してくれる医師であれば、納得して治療を進めることができるでしょう。患者さんが自ら納得して治療法を選択できるような情報提供を行ってくれる歯科医院を選ぶことが大切です。
カウンセリングが丁寧で、治療計画に納得できるか
歯科医院を選ぶ際の最終的な決め手となるのは、医師とのコミュニケーションがスムーズに取れるかどうかです。特に噛み合わせ治療は長期にわたることが多いため、医師と患者さんの間に信頼関係が築けるかが非常に重要になります。
検査結果や治療計画について、専門用語を並べ立てるのではなく、患者さんが理解できる言葉で分かりやすく説明してくれるか。また、患者さんの疑問や不安に対して、時間を惜しまず真摯に耳を傾け、丁寧に答えてくれるかといった、カウンセリングの質を見極めることが大切です。治療のゴールを共有し、協力しながら治療を進めていける医師であれば、途中で不安を感じた際にも安心して相談できます。長期的な治療を乗り切るためにも、信頼できる医師との出会いは非常に価値のあるものです。
まとめ:噛み合わせの違和感は放置せず、専門家へ相談を
噛み合わせの不具合は、単に口の中の違和感にとどまらず、顔の歪みや原因不明の頭痛、肩こり、めまいといった全身の不調、さらには虫歯や歯周病のリスクを高めるなど、多岐にわたる深刻な問題を引き起こす可能性があります。見た目の問題だけでなく、体全体の健康、そして精神的なストレスにまで影響が及ぶこともあるため、「そのうち治るだろう」と自己判断で放置することは大変危険です。
しかし、ご安心ください。現代の歯科医療では、噛み合わせの悪さの原因や症状の度合いに応じて、矯正治療、補綴治療、スプリント療法、外科手術など、さまざまな効果的な治療法が確立されています。適切な治療を受けることで、これらのリスクを回避し、健康で快適な生活を取り戻すことが可能です。
もしこの記事を読んで、ご自身の噛み合わせに少しでも気になる点があれば、まずは噛み合わせ治療の経験が豊富な歯科医師に相談することが、将来の健康を守るための最も重要な第一歩です。精密な検査を通じて、ご自身の状態を正確に把握し、複数の治療選択肢の中から最適な方法を見つけることが、後悔のない治療へと繋がります。早期の相談と対応が、長期的な心身の健康へと繋がる鍵となります。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
近藤 光 | Kondo Hikaru東京歯科大学卒業後、医療法人社団歯友会赤羽歯科に勤務し、その後、池袋診療所をはじめとする複数の歯科医院で経験を積み、フリーランス矯正歯科医として活動を開始。
その後、カメアリデンタル、デンタルクリニックピュア恵比寿、茅ヶ崎アルカディア歯科・矯正歯科、フォルテはにゅうモール歯科、舞浜マーメイド歯科など、多くの歯科医院で勤務を重ね、2023年12月赤坂B&S歯科・矯正歯科 開院。
【所属】
- 日本顎咬合学会
- 日本審美歯科学会
- 日本成人矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本メタルフリー学会
- 日本接着歯科学会
- 日本アライナー矯正研究会
- 日本顎顔面美容医療協会 認定医
- ICOI(国際口腔インプラント学会)
- 日本一般臨床矯正研究会
- OTEXE
- インディアナ大学歯学部矯正科認定医
【略歴】
- 東京歯科大学 卒業
- 医療法人社団歯友会赤羽歯科
- 同法人池袋診療所 入局
- 医療法人スマイルコンセプト
- 高田歯科インプラントセンター
- しんみ歯科
- 医療法人社団優綾会カメアリデンタル 矯正歯科担当医
- デンタルクリニックピュア恵比寿 矯正歯科担当医
- 医療法人社団角理会 茅ヶ崎アルカディア歯科・矯正歯科 矯正歯科担当医
- 医療法人恵優会フォルテはにゅうモール歯科 矯正歯科担当医
- 舞浜マーメイド歯科 矯正歯科担当医
- 医療法人恵優会かすかべモール歯科 矯正歯科担当医
- レフィーノデンタルクリニック 矯正歯科担当医
- 医療法人社団カムイ会柏なかよし矯正歯科・小児歯科 矯正歯科担当医
港区赤坂・赤坂見附の歯医者・矯正歯科
『赤坂B&S歯科・矯正歯科』
住所:東京都港区赤坂3-2-2 日総第24ビル1・2F
TEL:03-5544-9426