インビザラインは痛い?仕事や食事への影響と痛みを減らす工夫|赤坂 歯医者|赤坂B&S歯科・矯正歯科|平日・土曜19時まで診療

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インビザラインは痛い?仕事や食事への影響と痛みを減らす工夫|赤坂 歯医者|赤坂B&S歯科・矯正歯科|平日・土曜19時まで診療

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インビザラインは痛い?仕事や食事への影響と痛みを減らす工夫

インビザラインは痛い?仕事や食事への影響と痛みを減らす工夫 港区赤坂・赤坂見附の歯医者・矯正歯科「赤坂B&S歯科・矯正歯科」です。

歯並びの改善を検討している方にとって、インビザライン治療は魅力的な選択肢ですが、やはり気になるのは「痛み」ではないでしょうか。目立たない透明なマウスピース矯正とはいえ、歯を動かす以上、何らかの痛みを伴うのか、仕事や日常生活に支障はないのかといった不安は尽きないものです。このページでは、インビザライン治療における痛みの正体から、痛みを感じやすい具体的なタイミング、さらにはビジネスシーンや食事といった日常生活への影響、そしてその痛みを和らげるための具体的な対処法まで、網羅的に解説します。この記事を通して、インビザラインの痛みに関する疑問や不安を解消し、安心して治療を始められるよう、役立つ情報を提供いたします。

インビザラインの痛みはワイヤー矯正より少ない?痛みの正体とは

インビザライン矯正を検討されている方にとって、痛みの有無は治療に踏み出す上での大きな不安要素ではないでしょうか。インビザラインは「ワイヤー矯正よりも痛みが少ない」と言われることが多いですが、残念ながら「全く痛くない」というわけではありません。

このセクションでは、インビザラインで感じる痛みがどのようなものなのか、そしてなぜワイヤー矯正と比較して痛みが少ない傾向にあるのかを分かりやすく解説します。痛みの性質を理解することで、治療への漠然とした不安を和らげ、安心して治療に臨んでいただけるでしょう。

インビザラインで生じる痛みは、主に「歯が動くことによる圧迫感」です。これは、精密に設計されたマウスピースが歯にわずかな力をかけ、計画通りに歯が移動している証拠でもあります。痛みは通常、一時的なもので、正しい知識と対処法を知っていれば、快適に治療を進めることが可能です。

インビザラインは「歯が動く痛み」が基本

インビザライン治療中に感じる痛みの主な原因は、歯が動くことによる生理的な反応です。マウスピースが歯に持続的な力を加えることで、歯の周りにある「歯根膜(しこんまく)」という組織が伸縮し、このときに締め付けられるような、あるいは鈍い圧迫感が生じます。これは、まさに歯が計画通りに移動している「証拠」であり、治療が順調に進んでいるサインと捉えることができます。

インビザラインのマウスピース1枚あたりの歯の移動量は、およそ0.25mmと非常にわずかです。これは歯根膜の厚みに近い微細な動きであるため、ワイヤー矯正のように急激で強い力がかかることは少なく、管理可能な範囲の圧迫感が続くことが多いのが特徴です。そのため、激しい痛みに悩まされることは稀で、多くの場合、数日程度で慣れていきます。

ワイヤー矯正との痛みの違い

ワイヤー矯正とインビザライン矯正では、痛みの質や原因、そして程度に明確な違いがあります。

ワイヤー矯正の場合、ブラケットとワイヤーで歯に強い力を一気に加えるため、月に一度の調整後は特に強い痛みを感じやすい傾向があります。また、装置の凹凸が口の粘膜に当たりやすく、口内炎ができやすいといった物理的な痛みも伴うことがあります。

一方、インビザラインは1枚のマウスピースで0.25mmというごくわずかな移動量に設定されているため、段階的に少しずつ歯に力が加わります。このため、痛みが急激に出にくく、分散されるのが特徴です。また、マウスピースは表面が滑らかで、口内の粘膜を傷つけるリスクが低いため、ワイヤー矯正でよく見られる口内炎に悩まされることも少ないでしょう。これらの点から、インビザラインは痛みに配慮された治療法と言えます。

インビザラインで痛みを感じやすい5つのタイミング

インビザライン治療を進める中で、「痛みはいつ頃感じるのだろう」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。インビザラインはワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向にありますが、歯が動く際には特定のタイミングで圧迫感や違和感が生じることがあります。事前に痛みを感じやすいタイミングを知っておくことで、心の準備ができ、冷静に対処できるようになります。ここでは、インビザライン治療中に特に痛みを感じやすい代表的な5つのタイミングについてご紹介します。

初めてマウスピースを装着したとき

インビザライン治療を開始し、初めてマウスピースを装着した際に痛みを感じることがあります。これは、今まで動いていなかった歯に、マウスピースが初めて矯正力を加えるためです。特に、歯全体が締め付けられるような圧迫感や、わずかな違和感を覚える方が多いでしょう。この初回の痛みは、歯が動き始めているサインでもあります。通常は数日から1週間程度で徐々に慣れていき、痛みも和らいでいきますので、過度に心配する必要はありません。

新しいマウスピースに交換した直後(2〜3日がピーク)

インビザライン治療において、新しいマウスピースに交換した直後は、治療期間中で最も痛みを感じやすいタイミングの一つです。これは、新しいマウスピースが、次のステップへと歯を動かすための新たな力を加えるためです。歯は、その新しい圧力に適応しようと動き始めるため、特に交換から2~3日をピークに、ぎゅっと締め付けられるような圧迫感や鈍い痛みを感じることがあります。しかし、この痛みも歯が計画通りに動いている証拠であり、通常は数日でピークを越え、徐々に慣れていきます。この期間は無理のない範囲で、後述する痛みを和らげる工夫を試してみることをおすすめします。

アタッチメントを装着したとき

アタッチメントとは、歯の表面に直接接着する小さな突起のことで、マウスピースが歯に効率的に力を伝えるために使用されます。このアタッチメントを装着した直後にも、痛みを感じる場合があります。アタッチメントがあることでマウスピースが歯にしっかりと固定され、より強い力がかかるようになるため、圧迫感が増すことがあります。また、アタッチメントの突起が唇や頬の内側の粘膜に擦れて、口内炎などの物理的な痛みが生じることもあります。これらの痛みも、時間が経つにつれて口の中が慣れていき、自然と軽減していくことがほとんどです。

抜歯やIPR(歯を削る処置)を行ったあと

インビザライン治療では、歯を動かすためのスペースを確保する目的で、抜歯やIPR(Interproximal Reduction:歯の側面をわずかに削る処置)を行うことがあります。これらの処置を行った後も、一時的に痛みを感じることがあります。抜歯をした場合は、傷口そのものが原因で痛むことがあり、数日間は鎮痛剤が必要になることもあります。また、IPRを行った後は、削った部分が一時的に敏感になり、冷たいものがしみたり、知覚過敏のような症状が出たりすることがあります。これらの痛みは、矯正による歯の移動とは異なる種類の痛みであり、通常は数日程度で治まる場合がほとんどです。

顎間ゴムを使い始めたとき

インビザライン治療では、噛み合わせの調整や特定の歯の動きを促すために「顎間ゴム」を使用することがあります。この顎間ゴムを使い始めたときにも、新たな痛みや圧迫感を感じることがあります。ゴムによってこれまでの水平方向の歯の動きに加えて、垂直方向や斜め方向にも力が加わるため、今までとは異なる負荷が歯や顎関節にかかることが原因です。しかし、顎間ゴムも歯並び全体を理想的な状態へ導くための重要なステップであり、痛みは次第に慣れていきます。もし痛みが強い場合は、装着時間を調整するなど、歯科医師に相談してみましょう。

インビザラインの痛みの原因は?

インビザライン治療中に感じる痛みには、いくつかの主な原因があります。これらの原因を事前に把握しておくことで、なぜ痛みが生じているのかを理解し、より落ち着いて対処できるようになります。ここでは、痛みの主な原因を「歯が動くことによる圧迫感」「物理的な刺激」「着脱時の刺激」「後戻り」の4つのカテゴリーに分けて詳しくご説明します。ご自身の痛みの種類と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

原因1:歯が動くことによる圧迫感

インビザライン治療で感じる痛みのほとんどは、歯が計画通りに動いていることによる「圧迫感」です。マウスピースが歯に持続的な力を加えることで、歯の周りにある歯根膜という組織が伸び縮みし、この生体反応によって痛みが生じます。

この圧迫感は、歯が正しい位置へと移動している証拠であり、治療が順調に進んでいるサインでもあります。多くの場合、締め付けられるような、あるいは鈍い痛みとして感じられ、新しいマウスピースに交換してから2〜3日をピークに徐々に和らいでいきます。ポジティブな痛みとして捉え、安心して治療を続けてください。

原因2:マウスピースやアタッチメントが口内に当たる

歯が動く痛みとは別に、マウスピースの縁が歯茎に当たったり、歯に装着しているアタッチメントが唇や頬の内側に擦れたりすることで、物理的な刺激による痛みを感じることがあります。特に治療の初期段階や、アタッチメントの数が多い場合に起こりやすい傾向があります。

これらの刺激が原因で、口内炎や粘膜の炎症を引き起こすこともあります。これは装置の不適合や慣れないことによる摩擦が主な原因で、歯が動く痛みとは種類が異なります。もしマウスピースの縁が鋭利に感じられる場合は、歯科医院で調整してもらうことで軽減できます。また、後述する矯正用ワックスの使用も有効な対処法です。

原因3:マウスピースの着脱による刺激

インビザラインは食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外しますが、この着脱の際に痛みを感じることがあります。特に治療の初期で歯が敏感になっている状態や、アタッチメントが多くてマウスピースが外しにくい場合に起こりやすいです。

マウスピースを外す際に、歯に一時的に強い力がかかったり、特定の歯を強く引っ張るような感覚が生じたりすることで痛みを感じる場合があります。正しい着脱方法を身につけることや、アライナーリムーバーという専用の器具を活用することで、着脱時のストレスや刺激を大幅に軽減できます。

原因4:装着時間が短く後戻りしている

インビザラインの効果を最大限に引き出すためには、1日20〜22時間以上のマウスピース装着が推奨されています。この装着時間を守らないと、歯が計画通りに動かず、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が生じることがあります。

後戻りした状態で再びマウスピースを装着しようとすると、歯が移動した後の新しい位置に無理に合わせようとするため、強い痛みを感じてしまいます。これは、歯に不必要な負担をかけることにも繋がりかねません。決められた装着時間を守ることは、痛みを最小限に抑え、治療をスムーズに進める上で非常に重要です。

【みんなが気になる】仕事や食事への影響は?

インビザライン治療を検討している方にとって、治療中の痛みはもちろんですが、日々の仕事や食事といった日常生活にどのような影響があるのかは非常に気になるポイントではないでしょうか。特に人とのコミュニケーションが多い職種の方や、食の楽しみを大切にされている方にとっては、事前に具体的な影響と対策を知っておくことで、治療への不安を解消し、安心して進めることができます。このセクションでは、痛みだけでなく、生活の質(QOL)に関わるリアルな情報を提供し、治療中の生活をより快適に過ごすためのヒントをお伝えします。

仕事中(会議・接客)は話しにくい?見た目はどう?

インビザラインのマウスピースを初めて装着した際、多くの方が感じるのが「話しにくさ」や「滑舌の変化」です。特に「サ行」や「タ行」の発音がしにくくなるといった違和感を覚えることがありますが、これはマウスピースという異物が口の中にあることに舌や口周りの筋肉が慣れていないためです。ご安心ください。ほとんどの場合、数日から1週間程度で自然に慣れて、普段通りの会話ができるようになります。もし会議やプレゼンテーションなど、人前で話す機会が多い場合は、装着前に何度か声に出して話す練習をしておくと良いでしょう。

次に「見た目」についてですが、インビザラインの最大の特長は、その透明性にあります。従来のワイヤー矯正のように金属の装置が目立つことはほとんどなく、非常に近くで会話するような状況でなければ、ほとんど周りの人に気づかれることはありません。実際に、「つけていることを誰にも言われなかった」という方も多くいらっしゃいます。そのため、クライアントとの打ち合わせや接客で「見た目の印象」が重要な方でも、安心して治療を進めることができるでしょう。笑顔を躊躇することなく、自信を持って仕事に取り組める点は、インビザラインの大きなメリットと言えます。

食事は不便?痛いときにおすすめのメニュー

インビザライン治療における食事の基本ルールは、「食事の際は必ずマウスピースを外す」ことです。マウスピースを装着したまま食事をすると、装置が破損したり、食べ物の色素が沈着して変色したりする可能性があるため、必ず外すようにしましょう。食後は、虫歯や歯周病のリスクを避けるためにも、歯磨きをしっかり行い、口腔内を清潔にしてからマウスピースを再装着してください。この習慣を身につけることで、衛生的に治療を進めることができます。

新しいマウスピースに交換した直後や、歯の移動に伴う痛みが強い時期は、硬いものや噛み切りにくい食べ物を避けるのが賢明です。例えば、せんべいやナッツ類、繊維質の多い肉などは、痛む歯に負担をかける可能性があります。そのような時期には、おかゆ、スープ、うどん、雑炊、ヨーグルト、プリン、豆腐、ゼリーなど、柔らかく、あまり噛まなくても食べられるものがおすすめです。これらのメニューを取り入れることで、食事の時間を快適に過ごし、無理なく治療を続けることができるでしょう。

痛みを減らす7つの工夫|自分でできる対処法

インビザライン治療中の痛みは、誰もが経験する可能性のあるものですが、決して避けられないものではありません。正しい知識といくつかの工夫を実践することで、痛みを十分に管理し、治療期間をより快適に過ごすことができます。ここでは、ご自身で簡単にできる痛みを軽減するための7つの具体的な対処法をご紹介します。これらの方法を取り入れることで、痛みへの不安を和らげ、スムーズに治療を進めることができるでしょう。

マウスピースの交換は就寝前に行う

新しいマウスピースへの交換は、就寝前に行うことを強くおすすめします。これは、新しいマウスピースに交換した直後が最も痛みを感じやすい時間帯だからです。交換によって歯に加わる新たな圧迫感や違和感を、睡眠中にやり過ごすことで、日中の仕事や活動への影響を最小限に抑えることができます。痛みを感じやすい最初の数時間を意識しないうちに乗り越えられるため、この簡単な工夫は痛みのピークを非常に効果的に和らげてくれます。

痛みがあるときは柔らかい食事を心がける

歯が動いている最中は、歯根膜が敏感になっているため、硬い食べ物を噛むと痛みが強まることがあります。特に新しいマウスピースに交換したばかりで痛みを感じる数日間は、おかゆ、スープ、ヨーグルト、うどん、豆腐など、柔らかく噛みやすい食事を選ぶように心がけましょう。無理に硬いものを食べることで痛みを助長させたり、マウスピースや歯に不要な負担をかけたりするのを避けることができます。食事内容を一時的に工夫することは、治療中の不快感を軽減し、スムーズな歯の移動を促すためにも大切なポイントです。

アライナーチューイーを正しく使う

アライナーチューイーとは、マウスピースを歯にしっかりと密着させるためのシリコン製の棒状の補助器具です。新しいマウスピースに交換した際や、マウスピースが浮いていると感じる部分がある場合に使用します。チューイーをしっかり噛みこむことで、マウスピースが歯に正確にフィットし、計画通りの力が歯に伝わるようになります。これにより、歯の動きが促進されるだけでなく、血行が良くなることで痛みが緩和される効果も期待できます。ただマウスピースを装着するだけでなく、このチューイーを正しく使用することが、治療効果を高め、痛みを減らすための重要な鍵となります。

マウスピースが当たって痛いときは矯正用ワックスを使う

マウスピースの縁やアタッチメントが唇、頬、歯茎などの粘膜に当たって擦れ、痛みや口内炎が生じることがあります。このような物理的な刺激による痛みに対しては「矯正用ワックス」が有効です。ワックスは、患部とマウスピースの間に物理的なバリアを作り、摩擦を軽減する役割を果たします。小さくちぎったワックスを丸めて痛い部分のマウスピースに貼り付けるだけで、簡単に痛みを和らげることができます。矯正用ワックスは市販もされており、手元に用意しておくと、いざという時の応急処置として非常に安心です。

歯科医師に処方された鎮痛剤を服用する

痛みが強く、日常生活に支障が出るほど我慢できない場合は、無理をせずに鎮痛剤の服用を検討しましょう。ただし、自己判断で市販薬を服用したり、長期間にわたって乱用したりすることは避けてください。必ずかかりつけの歯科医師に相談し、指示された種類の鎮痛剤を、用法・用量を守って服用することが重要です。一部の鎮痛剤は歯の動きを阻害する可能性も指摘されているため、専門家の指示に従うことが、安全かつ確実に痛みを管理するための最善の方法となります。

着脱用の器具(アライナーリムーバー)を活用する

インビザラインのマウスピースは、特に治療初期やアタッチメントが多く付いている場合に、取り外しにくく、着脱時に痛みを感じることがあります。このようなストレスや痛みを軽減するために「アライナーリムーバー」という専用の着脱用器具の活用をおすすめします。アライナーリムーバーを使えば、指や爪を痛めることなく、マウスピースをスムーズに取り外すことができます。着脱が楽になることで、ストレスが減り、結果的に不必要な痛みを感じる機会を減らすことが可能です。

装着時間をしっかり守る

インビザライン治療において、1日20~22時間の推奨装着時間を厳守することは、痛みの予防という観点からも極めて重要です。装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が生じやすくなります。その結果、次にマウスピースを装着する際に強い圧迫感や痛みを感じることになり、治療計画の遅延にもつながります。規律正しい装着時間を守ることは、歯の動きをスムーズにし、結果的に痛みを最小限に抑え、治療を最短で終えるための最も確実な近道と言えるでしょう。

注意!痛いときにやってはいけないNG行動

インビザライン治療中に痛みを感じた際、早くその痛みから解放されたいと思うのは当然のことです。しかし、自己流の対処法が、かえって治療を長引かせたり、歯に悪影響を与えたりするケースも少なくありません。ここでは、痛みを感じたときに絶対に避けるべきNG行動を3つご紹介します。ご自身の判断で誤った行動をとらず、必ず歯科医師の指示に従うことが、安全で確実な治療を進める上で非常に重要です。

自己判断でマウスピースの装着を中断する

痛みを感じたからといって、自己判断でマウスピースの装着を長時間中断することは非常に危険です。インビザラインは、1日20〜22時間装着することで、計画通りに歯に弱い力をかけ続け、歯を徐々に移動させていきます。装着時間が短くなると、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が生じてしまい、せっかく動いた歯が逆行してしまう可能性があります。その結果、現在のマウスピースが歯にフィットしなくなり、新しいマウスピースに交換した際に、さらに強い痛みを感じることにつながります。

また、装着中断によって治療計画が大幅に遅れるだけでなく、場合によっては、現在のマウスピースが使用できなくなり、マウスピースの再製作が必要になることもあります。これは、治療期間の延長だけでなく、追加費用が発生するリスクも伴います。痛みが気になる場合は、自己判断で外すのではなく、まずは歯科医院に相談することが大切です。

市販の鎮痛剤をむやみに長期間服用する

インビザライン治療中の痛みが辛いときに鎮痛剤に頼りたくなる気持ちはよくわかりますが、市販の鎮痛剤を自己判断でむやみに、かつ長期間服用することは避けるべきです。一部の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる市販の鎮痛剤は、歯の動きを促すプロスタグランジンという物質の生成を抑制する作用があると言われています。このため、鎮痛剤の種類によっては、歯の移動を妨げ、矯正治療の進行を遅らせてしまう可能性が指摘されています。

痛みが続く場合は、薬でごまかすのではなく、まずはその痛みの原因を特定するために歯科医師に相談することが不可欠です。歯科医師は、歯の動きや口腔内の状態を確認し、必要であれば矯正治療に影響の少ない適切な鎮痛剤を処方してくれます。自己判断による誤った鎮痛剤の使用は、治療効果を損なうだけでなく、体への負担も考慮する必要があるため注意が必要です。

自己判断でマウスピースを削る・変形させる

マウスピースの縁が歯茎に当たって痛い、あるいはアタッチメントが口内粘膜に擦れて痛いといった場合、自分でマウスピースをヤスリで削ったり、熱を加えて変形させたりすることは絶対にやめてください。インビザラインのマウスピースは、精密な3Dスキャンデータに基づき、ミクロン単位で設計された医療機器です。歯を計画通りに動かすために、一つ一つのマウスピースに正確な力がかかるよう作られています。

ご自身の判断でマウスピースに加工を加えてしまうと、わずかな変形であっても歯にかかる力が変わり、計画通りの歯の移動ができなくなってしまいます。これにより、治療計画が大きく狂い、最終的な治療結果に悪影響を及ぼす可能性が高まります。マウスピースに不具合を感じた場合は、必ずかかりつけの歯科医院に連絡し、歯科医師または歯科衛生士に調整してもらうようにしましょう。専門家による適切な処置を受けることが、治療を安全かつスムーズに進めるための最善策です。

痛みが続く・我慢できない…歯科医院に相談すべきサイン

インビザライン治療中に感じる痛みは、多くの場合、歯が動いている証拠であり、一時的なものです。しかし、中には「これは通常の痛みではない」と感じるような、注意が必要なケースも存在します。ここでは、どのような症状が見られたら歯科医院に相談すべきか、具体的なサインについてご紹介します。これらのサインを事前に知っておくことで、もしもの時にも落ち着いて対処でき、安心して治療を進められるでしょう。

1週間以上痛みが引かない

新しいマウスピースに交換した直後の痛みは、通常2~3日、長くても1週間以内には落ち着いてくるのが一般的です。これは、歯が新しい位置へ動き始める際に生じる生理的な圧迫感であり、徐々に慣れていくことがほとんどです。しかし、もし1週間以上経っても強い痛みが全く引かない、あるいは痛みが悪化していると感じる場合は、マウスピースが正しくフィットしていない、または歯や歯茎に他の問題が生じている可能性も考えられます。自己判断で様子を見続けるのではなく、早めにかかりつけの歯科医院に連絡して診てもらうようにしましょう。

マウスピースが浮いてフィットしない

マウスピースが歯にぴったりと密着せず、一部が浮いたような状態は「トラッキング不良」と呼ばれ、歯が計画通りに動いていない証拠です。この状態が続くと、治療計画とのズレが大きくなり、予定通りに歯が動かなくなってしまうことがあります。アライナーチューイーをしっかり噛んでも改善しない場合は、歯科医院に相談が必要です。浮きの原因は、マウスピースの装着時間が不足している、または歯の動きが予定より遅れているなど、いくつか考えられます。放置すると治療期間が延びたり、最悪の場合マウスピースの再製作が必要になったりすることもあるため、早急に歯科医師に原因を特定してもらい、適切な対策を講じてもらうことが重要です。

特定の歯に激しい痛みを感じる

インビザライン治療による痛みは、通常、歯全体に広がるような鈍い圧迫感や締め付け感が主です。しかし、特定の1本の歯だけがズキズキと激しく痛む場合や、噛むと非常に強い痛みが生じる場合は、注意が必要です。これは、矯正治療による痛みとは別の原因、例えば虫歯や歯周病、または歯の神経に問題が起きている可能性も考えられます。また、マウスピースとの接触不良や、予期せぬ強い力が特定の歯にかかっていることも原因となることがあります。このような局所的で鋭い痛みは、放置せずに速やかに歯科医院を受診し、痛みの原因を特定してもらうことが大切です。早期発見・早期治療が、歯の健康を守る上で非常に重要となります。

まとめ:痛みを正しく理解して、快適なインビザライン治療を

インビザライン治療における痛みは、歯が理想的な位置へと少しずつ動いている証拠であり、決してネガティブなものばかりではありません。多くの痛みは一時的なもので、新しいマウスピースに交換した直後や治療の初期に感じやすく、数日程度で自然に和らいでいくことが一般的です。

痛みを理解し、適切に対処することで、インビザライン治療をより快適に進めることができます。具体的には、マウスピースの交換を就寝前に行う、痛みがあるときは柔らかい食事を選ぶ、アライナーチューイーを正しく使用する、マウスピースが当たって痛い場合は矯正用ワックスを活用するなどの工夫が有効です。また、歯科医師に処方された鎮痛剤を適切に服用することも検討しましょう。

何よりも大切なのは、1日20~22時間という推奨される装着時間を守ることです。装着時間を守ることで、歯が計画通りに動き、痛みが生じる後戻りを防ぐことができます。もし1週間以上痛みが引かない、特定の歯に激しい痛みを感じる、マウスピースが浮いてフィットしないといった異常を感じた場合は、自己判断せずに速やかにかかりつけの歯科医院に相談してください。痛みの原因を正しく理解し、適切な対処法を実践することで、インビザライン治療の不安を乗り越え、理想の歯並びと自信に満ちた笑顔を手に入れることができるでしょう。

少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

近藤 光 | Kondo Hikaru
東京歯科大学卒業後、医療法人社団歯友会赤羽歯科に勤務し、その後、池袋診療所をはじめとする複数の歯科医院で経験を積み、フリーランス矯正歯科医として活動を開始。
その後、カメアリデンタル、デンタルクリニックピュア恵比寿、茅ヶ崎アルカディア歯科・矯正歯科、フォルテはにゅうモール歯科、舞浜マーメイド歯科など、多くの歯科医院で勤務を重ね、2023年12月赤坂B&S歯科・矯正歯科 開院。

 

【所属】

 

【略歴】

 

港区赤坂・赤坂見附の歯医者・矯正歯科

赤坂B&S歯科・矯正歯科
住所:東京都港区赤坂3-2-2 日総第24ビル1・2F
TEL:03-5544-9426