ガミースマイルとは ABOUT GUMMY SMYLE
皆さまは「ガミースマイル」という言葉をご存じでしょうか?
英語の「Gum」(歯肉)の形容詞形「Gummy」から派生したもので、笑ったときに上顎の歯肉が大幅に露出し、目立ってしまう状態を指します。明確な定義や基準はありませんが、歯肉が2mm以上見えるとガミースマイルと認識されることが多いようです。「ガミーフェイス」ともよばれます。
笑うと歯肉が大幅に露出することで審美性を損なうため、それがコンプレックスとなり、「笑顔になれない…」と悩まれている方も少なくありません。そのため、口元の審美性の改善を目的として治療を受けられる方もいらっしゃいます。
ガミースマイルの原因
ガミースマイルの原因には、「上顎骨の過剰な発達」「上唇挙筋(じょうしんきょきん=上唇を持ち上げる筋肉)の過剰な発達」「不正咬合」などが挙げられます。
これらの要素が複合的に作用して、ガミースマイルの状態になると考えられます。
ガミースマイル
ガミースマイルと歯の状態について
歯が通常より短かったり、生えてくる位置が平均より低かったりすることでも、笑ったときに歯肉が目立つため、ガミースマイルと認識されることがあります。
また、歯が小さい「矮小歯」の状態だと歯肉の露出が増え、ガミースマイルの印象が強まることがあります。矮小歯は、遺伝的な要素やビタミンDの不足などさまざまな要因によって生じ、その数や生えてくる位置は人によって大きく異なります。
上顎骨の発達とその影響
上顎骨の過剰な発達は、遺伝的要因のほか、指しゃぶりなどの悪癖や舌で前歯を押す舌癖が原因で起こります。
特に前に出ていると上唇を十分に覆えず、歯肉が見えやすくなります。この状態だと、ガミースマイルだけでなく上顎前突(出っ歯)にもなるため、見た目だけでなく精神的なストレスが大きくなることもあります。
また、口を閉じにくくなってお口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病の発症、口臭の発生リスクが高まります。
上唇の筋肉とガミースマイルの関係
ガミースマイルの原因のひとつに、上唇と鼻の間に位置する「上唇挙筋」の力があります。この筋肉の力が強すぎると、笑ったときに上唇が大幅に持ち上げられ、歯肉が目立ってしまいます。
また、たとえ上唇挙筋の力が正常であっても、上唇の縦幅が短い(上唇が薄い)場合には、少し口をあけただけで歯肉が露出してしまうこともあります。
歯肉の発達とガミースマイルの関係
歯肉が通常よりも過剰に発達していると、歯肉が前歯を覆うようにして存在することになり、笑ったときに歯肉の面積が広く見え、ガミースマイルが発生します。歯肉のラインが不ぞろいに見えることもあります。
歯肉の過剰な発達だけでなく、歯の大きさや歯並びなどの要因が複合的に組み合わさることも、ガミースマイルの原因になります。
遺伝とガミースマイル
両親や祖父母がガミースマイルだと、子どもや孫にも同様の特徴が現れることがあります。しかし必ずしも遺伝するとは限らず、遺伝したとしても程度には個人差があります。
お子さまの成長過程で口元に注意を払い、気になるようであれば、顎骨の成長が著しい6~12歳頃に矯正治療を始めることで、大人になってから治療を始めるより負担を軽減できます。
ガミースマイルに関する不安や疑問がある場合は、早めに専門医にご相談ください。
笑ったときの歯肉の見え方が気になる方へ
ガミースマイルは見た目だけでなく精神的な自信の喪失につながることもあります。 赤坂B&S歯科・矯正歯科では、患者さまに笑顔を取り戻していただけるよう、最適な治療をご提供して症状を改善しますので、ご安心ください。
ガミースマイル治療のメリット
見た目の悩みを解消できる
見た目を大きく改善できることがいちばんのメリットです。笑顔になったとき歯肉が目立つことにお悩みの方は、治療を受けることで歯肉を目立たなくすることができます。これにより見た目に自信を持てるようになり、気持ちが明るくなる可能性も高まります。
歯周病のリスクを軽減できる
ガミースマイルの原因のひとつに不正咬合があり、磨き残しが多くなりがちなので、歯周病になるリスクが高まってしまいます。しかし治療によってこれらの問題を解決できると、歯を磨きやすくなり、口腔内環境を清潔に保ちやすくなります。これにより、歯周病の発症リスクを軽減できます。
虫歯・口臭の発症リスクを軽減できる
歯並びの改善により、歯垢や食べかすが溜まりにくくなります。また、ガミースマイルが原因で口が閉じにくい場合、治療により口が閉じやすくなり、お口の中が乾燥しにくくなります。これにより菌の繁殖が抑制され、むし歯や口臭の発症リスクを軽減できます。
ガミースマイル治療のリスク
痛み・腫れが出ることがある
歯冠長延長術(歯肉を切除して骨の形態を整え、歯の見える範囲を広げて歯肉が見えないようにする手術)は、痛みや腫れが生じにくい手術です。しかし口腔内環境や体質によっては、術後3日程度は痛みや腫れが生じることがあります。このような場合は薬が処方されます。
知覚過敏を発症することがある
歯冠長延長術で歯肉を切除することにより、歯の表面積が増えて歯根が露出しやすくなることがあります。これにより、知覚過敏の症状が現れる可能性があります。必要な部分のみを切除する適切な歯冠長延長術を行ない、知覚過敏を防ぐことが重要です。
後戻りすることがある
歯肉切除術のみや上唇粘膜切除術では、治療後に後戻りすることがあります。ガミースマイルの原因が上唇挙筋の発達でない場合、上唇粘膜切除術では効果の持続も期待できません。歯冠長延長術であれば、歯肉の裏側の骨を切除することで、後戻りするリスクを軽減できます。 原因を正確に特定し、最適な治療法を選択しましょう。
ガミースマイルの治療法
ガミースマイルの治療法には、ボトックス注射、歯肉の切除・整形、リップリポジショニング手術、矯正治療などがあります。 ボトックス注射では、上唇挙筋などの動きを抑制します。歯肉の切除・整形では、余分な歯肉を取り除いて歯冠の長さを調整します。リップリポジショニング手術では、上唇の位置を変えて歯肉の露出を減らします。矯正治療では、歯や骨格の位置を調整します。
当院のガミースマイル治療
ボトックス注射
ボトックス注射には、注入部位の筋肉の動きを一時的に弱める効果があります。この特性を利用して、笑顔になるときに上唇を持ち上げる筋肉「上唇挙筋」にボトックス注射をすることにより、上唇挙筋の活動が抑制されます。笑ったときに上唇が大幅に持ち上がらないようになり、歯肉の露出を減少させられます。 ダウンタイムがなく、治療当日に施術を受けられます。
歯周形成術
歯肉が通常よりも過剰に発達し、前歯を覆う歯肉の面積が広く見えたり、歯肉のラインが不ぞろいに見えるときに、特に効果的な手術です。 歯肉整形では、局所麻酔を行なったうえで痛みを抑えられる状態を作り出し、電気メスやレーザー治療器を使って2~3mm程度の範囲で歯肉を切除します。これにより歯の露出が増え、バランスの取れた美しい歯並びへと改善できます。治療時間や施術後のダウンタイム(回復期間)が短く、傷痕も目立ちにくく、身体への負担もほとんどありません。 しかし、治療後に後戻りするリスクがあるため、治療前に歯科医師と十分話し合うことが大切です。 ほかにも複数の術式があるため、患者さまの状態に合わせて最適な方法を選択します。
矯正治療
ガミースマイルは、骨格や歯並びが大きく影響して発症することが知られています。特に、遺伝的な要素が強く、親族にガミースマイルの方がいる場合、それらが原因となっている可能性があります。 骨格や歯並びに起因するガミースマイルの多くは、矯正治療によって改善できます。上顎が長いなど骨格的な問題が顕著な場合は、外科手術と矯正治療を組み合わせた方法が有効なことがあります。 しかし、最近では歯科矯正用アンカースクリューを利用し、矯正治療だけでガミースマイルを改善できるケースが増えています。
マウスピース矯正(インビザライン)
重度のガミースマイルの場合、矯正治療のみで改善するのは、難しいでしょう。 一方、軽度のガミースマイルで、原因が歯並びにある場合には、マウスピース矯正(インビザライン)を含む矯正治療で改善できる可能性があります。特に前歯が前突している場合には、前歯を後方に移動させることで唇が閉じやすくなり、歯肉の露出が減少します。 また、ディープバイト(過蓋咬合)の場合にも、マウスピース矯正を含む矯正治療により、噛み合わせと同時にガミースマイルの改善も期待できます。
確かな技術でガミースマイルから理想の笑顔へ
当院では、一人ひとりの状態に合わせた治療法の選択、治療計画の立案を行ない、確かな技術でガミースマイルの改善を目指します。カウンセリングはもちろん、術後のフォローアップまで丁寧に行ない、患者さまをサポートいたします。理想の笑顔を手に入れたい方は、ぜひご相談ください。
ガミースマイルは自力で治せる?
ガミースマイルを自力で治すことは困難です。歯肉のマッサージや歯肉の引き締め効果のある歯磨き剤の使用は、現状を維持するためには多少有効かもしれませんが、ガミースマイルの根本的な改善には至りません。 ガミースマイルの原因は、多くの場合、骨格や筋肉の状態、歯の生え方などと関連しています。治療法は原因によって異なるうえ、さまざまです。 つまり、専門的な観点から診断してもらい、原因に応じた最適な治療を受ける必要があるのです。そのため、歯科医院できちんと診断・治療を受けることが推奨されます。
ガミースマイル治療の流れ
1無料カウンセリング
ガミースマイル治療に関する不安や疑問をお聞きするなど、専門のカウンセラーが無料でご相談を承ります。治療の概要や効果などについてわかりやすくご説明しますので、安心して治療に臨んでいただけます。 些細と思われるようなことでも結構ですので、この機会にお気軽にお話しください。
2検査
治療計画を立てるために必要な情報を収集します。 主に顔貌写真・口腔内写真の撮影、パノラマレントゲン撮影、CT(コンピューター断層撮影)、セファログラム(頭部X線規格写真撮影)、歯型の採取、歯周ポケットの計測などを行ないます。
3治療説明
検査結果をもとに診断し、結果を詳細にご説明します。治療の方法・期間・費用などについて納得いただけるよう丁寧にご説明します。治療費は検査費用を含めて約1万円が目安となります。なお、治療前に歯列矯正や他の治療が必要な場合もありますので、その点も含めてご説明します。
4手術(来院2回目)
ガミースマイルの原因に応じた手術を行ないます。骨格や歯肉に原因がある場合は、歯肉を切開して骨を削ります(約20万円)。唇に原因がある場合は、上唇の裏側と歯肉の間の空間を縮小します(約20万円)。両方の処置が必要な場合の費用は、約50万円となります。 手術までの期間は、初回の無料カウンセリングから約1ヵ月を想定しています。
5抜糸(術後約2週間)
手術が終わって2週間ほどしたら、抜糸のためにご来院いただきます。
抜歯して治療部位の状態を確認します。
6最終確認(術後約2~3ヵ月)
治療後の最終確認を行ないます。治療部位のチェック、治療結果や口腔内の状態を確認し、必要に応じて追加の処置を行ないます。
今後のケアなどについてもアドバイスさせていただきます。
ガミースマイルに関するよくある質問
- ぜガミースマイルは女性に多いのですか?
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一般的に男性の口周りの皮膚は厚く、ひげが生えることで皮膚が硬くなり、笑ったときに上唇が上がりにくい傾向があります。一方女性の場合は口周りの皮膚がやわらかく、笑ったときに上唇が上がりやすいため、結果的にガミースマイルが現れやすくなると考えられています。
- ガミースマイル治療に保険は適用されますか?
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美容目的で行なうガミースマイル治療には、保険を適用できません。自費診療となりますが、医療費控除の対象となる場合があるので、適切に利用することで治療費を抑えられます。
- ガミースマイルを治療する必要はありますか?
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ガミースマイル自体は病気ではないため、治療が必要というわけでありません。治療の対象となるのは、審美的なストレスを感じ改善を希望されている方となります。 ただし、歯が短いタイプのガミースマイルの方は、歯周病の発症リスクが高まる可能性があるため、治療をお勧めすることがあります。
- ガミースマイルの手術で失敗することはありますか?
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ガミースマイルの手術自体を失敗することはまれです。しかし、担当の歯科医師に知識や経験が不足している場合、失敗するリスクがあることは否めません。 ガミースマイル治療には専門的な技術が必要とされるため、手術を受ける医院は、実績や症例を十分に確認したうえで選ぶことが大切です。