不正咬合のタイプ
このような
歯並びのお悩みはありませんか?
正常咬合(せいじょうこうごう)とは、噛み合わせ(咬合)が正常な状態のことです。歯並びをきれいにして、正しい噛み合わせを目指しましょう。
歯並びチェック
噛んだ状態でのチェック
- 上下の真ん中の歯が一致しているか確認する
- 下の前歯よりも上の前歯が2〜3ミリ前に出ているかチェックする
- 下の前歯を上の前歯が垂直的に2〜3ミリ覆っているか確認する
- 上下の歯がしっかりかみ合っており、隙間がないか確認する
- 奥歯で噛んだ時に左右の奥歯が均等に噛み合っているか確認する
その他の状態でのチェック
- 28本の永久歯がすべて揃っているか確認する
- 歯並びがU字型でガタツキがないか確認する
- 横から見て、唇が鼻の先端から下顎を結んだ線(Eライン)より出ていないか確認する
- 口の周りに緊張がなく、リラックスした状態で唇を無理なく閉じることができるか確認する
- 口を開けた時に左右に顎を動かした際に、痛みや音がないか確認する
毎日のケアのポイント
- 食事の後には必ず歯みがきを行いましょう
- 歯ブラシだけでなく、デンタルフロス(糸ようじ)も使用して歯間もきれいに清潔に保ちましょう
- 定期的に歯科医院で歯のクリーニングやメンテナンスを受けることが大切です
- むし歯や歯周病は歯並びや噛み合わせを乱す原因となるため、予防を意識して適切なケアを行いましょう
※これらのケアを日常的に行うことで、歯並びや噛み合わせの健康を保ち、歯のトラブルを予防することができます。定期的な歯科検診やクリーニングも忘れずに行いましょう。
叢生
歯並びが
デコボコ、ガタガタの状態
歯が生えるためのスペースが不足しているため、正しい位置に並ぶことができない状態です。歯が正しい位置に並んでおらず、互いに重なり合っていることが多く、歯が前後左右にずれて配置されていることもあります。スペース不足の原因としては、遺伝的要因による小さな顎の骨や大きな歯、骨の成長不足、乳歯のむし歯や早期脱落、外傷、指や舌を噛むなどの悪い癖などが考えられます。放置すると、咬合力や咀しゃく能率の低下、嚥下や発音の問題、上下の顎の骨の成長に影響を及ぶことによる成長不良などが挙げられます。顎関節症の原因となって、下顎の運動障害や痛み、音を引き起こす可能性があります。また、外見に影響を及ぼし、劣等感や内向的な性格を引き起こしたり、全身に影響が及んで胃腸障害や肩こりなどの症状が現れたりする可能性があります。
5歳以下の治療法

歯並び自体の歯科矯正治療は行わず、経過観察と定期的な検診が主なアプローチです。半年に1回の定期検診にて歯並びの変化や問題の有無を確認し、治療の必要性を判断します。また、叢生の原因となる悪い癖やその他の要因を特定し、それらを改善するための指導や誘導を行います。悪習癖の改善により、2次的な歯並びの問題の予防や改善が期待されます。これらのアプローチにより、乳歯列期における叢生の治療方針として、悪い癖の除去や適切なケアを通じて、歯並びの健康を保ち、将来的な治療の必要性を最小限に抑えることを目指します。
6歳〜10歳の治療法

6歳から10歳の年齢層では、歯の生え変わり期に叢生が生じることがあります。特に前歯の転位や側切歯の逆生、歯のねじれなどが見られることがあり、このような状態になった場合、すべての永久歯が生え揃ってからではなく、早い段階から治療を開始することが重要です。治療の開始時期を遅らせると、問題が悪化する可能性があるため、早めの診断と治療が求められます。歯科矯正を専門とする歯科医師の管理下で治療を行い、不正咬合や歯並びの問題を適切に改善していくことが重要です。この時期から治療を開始することで、将来的な悪化や抜歯の回避も期待されます。
治療法としては、歯の転位や逆生を改善する方法や、顎の発育を促進する方法があります。装置は個々の状況によって異なりますが、舌側矯正装置やインビザラインなどの簡易な装置が使用されることが一般的です。治療期間は個々の状況によって異なりますが、一般的には6ヵ月から1.5年程度です。通院は通常、4週間から6週間ごとに行われ、治療終了後も定期的な検診が重要です。なお治療終了後も、顎の骨の成長や歯の状態を確認するための検診が行われます。
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

この年齢層での治療方法は、叢生の原因や程度によって異なりますが、全体的な矯正装置を使用するか、部分的な矯正装置を使用するかを選択することができます。
治療法1:顎の大きさと歯の大きさのズレが比較的小さい場合
この場合、永久歯の抜歯は通常行わず、歯並びや咬合を整える治療を行います。治療期間は比較的短く、多くの場合、通常1~1.5年程度で治療を終了できます。
治療法2:顎の大きさと歯の大きさのズレが比較的大きい場合
現在の顎に収まらない歯がある場合、永久歯の抜歯が必要になることがあります。しかし、歯科矯正用アンカースクリューなどの補助装置を併用することで、歯の抜歯を回避し、治療の効率化を図ることができます。治療期間は個人差がありますが、通常約2年前後です。
いずれも治療期間中は通院が必要で、定期的な検査や調整を行います。また、治療が終了した後も定期的な検診を受けることが重要です。
上顎前突
上の顎が前に出た
いわゆる出っ歯の状態
上顎前突は、小さな顎の骨や大きな歯といった遺伝的要因、顎の骨の成長不良や過剰な成長、指しゃぶり、舌癖、口呼吸などの悪い癖などが関係しています。鼻の病気が原因となる場合もあります。
放置すると、咀しゃく障害、嚥下・発音の困難、顔の印象の悪化、顎関節症さらに胃腸障害や肩こりなどの全身への影響が起こるリスクがあります。口腔内の清掃の困難で、むし歯や歯周病のリスクが高まったり、口臭の原因となったりする可能性が否定できません。早めの治療や対策を行うことで、さまざまな問題を予防し、正常な噛み合わせやお口の健康を保つことが期待できます。
5歳以下の治療法

すべての歯が乳歯で、出っ歯になっている場合、通常は経過観察を継続します。定期的な検診を受けることで、歯並びの変化や他の問題の有無を確認し、適切な対応を行います。特に、出っ歯の原因を調査し、悪い癖による影響が考えられる場合は、その悪習を改善するように指導します。
治療法としては、歯並びそのものを治療するのではなく、悪い癖を改善することに焦点を当てる場合があります。悪習を改善することで、二次的な歯並びの問題を予防し、出っ歯の改善につなげることができる場合があるからです。子どものお口の健康を維持し、将来の永久歯の健康にも影響を与えるため、早めの対応が必要となります。
6歳〜10歳の治療法

永久歯が生え揃っている段階で、出っ歯の状態が見られることがあります。原因として、前歯の生え方や顎のバランス、悪い癖による影響などが考えられ、歯科矯正治療の開始や管理が適切な時期とされています。
通常、すべての永久歯が生え揃ってから治療を開始するのではなく、早めに治療を行うことが重要です。特に、顎の発育が悪い場合は、成長期を利用して良好な発育を促すことができます。アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会では、7歳までに専門家による歯列矯正の診断を受けることを推奨しています。この時期に治療を開始することで、将来的にも噛み合わせの問題を予防しやすくなります。
治療法としては、前歯の傾きを改善する方法や顎の発育を促す方法などが考えられます。通院頻度は約4~6週間ごとになり、治療終了後も定期検診を行い、状態を確認します。この時期には、通常の全体的な矯正装置よりも簡単な装置が使用されることが多く、舌側矯正装置やマウスピース型矯正装置が選択されることがあります。
6歳から10歳の時期は、歯並びの発育や成長に影響を与える重要な時期です。この時期に出っ歯の状態を放置せず、適切な治療を受けることで、歯並びや顎のバランスを改善し、口腔健康を維持することができます。専門家の指導のもとで適切な治療計画を立て、定期的な検診や治療を受けることで、健康な歯並びを保つことができます。
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

11歳以上25歳未満の永久歯列期において、上顎前突の治療法は患者さんの状態や原因によって異なります。
治療法1:顎の成長が悪く、全身成長が残っている場合
顎の発育を良好にするため、顎の骨の矯正を行います。成長の状況は個人によって異なるため、手のひらのレントゲンを取って成長の度合いを確認します。
治療法2:顎の発育が悪いが、成長が残っていない場合
顎の発育を誘導することができない場合、現在の骨格のまま歯を移動して出っ歯を改善することになります。骨格性の不正が強い場合、歯の抜歯が必要になることがあります。
治療法3:歯の出っ歯が比較的小さい場合
永久歯の抜歯が必要ない場合が多く、治療期間も比較的短く済むことがあります(約1~1.5年)。
治療法4:歯の出っ歯が比較的大きい場合
出っ張った前歯を後退させるために、スペースや歯の位置関係を検査し、必要に応じて永久歯の抜歯を検討することがあります。付加的な装置(歯科矯正用アンカースクリューなど)を併用することで、歯の抜歯を回避したり、治療期間を短縮したりすることが可能です。治療期間は通常、約2年前後です。
上顎前突の治療は個人によって異なるため、専門家との相談を通じて適切な治療計画を立てることが重要です。治療の選択肢や予想される結果について詳しく説明を受け、自身の状況に合った治療法を選択することが理想的です。適切な治療を受けることで、歯の健康や口腔の機能を改善し、美しい笑顔を取り戻すことが可能となります。
下顎前突(反対咬合)
上の顎よりも下の顎が
前に出ている状態
反対咬合の原因は多岐にわたります。遺伝的要因による小さな顎や、両親から引き継がれた大きな歯が該当する場合もあり、上顎の発育不足や下顎の過剰な成長など、顎の骨の成長にアンバランスが生じていることも理由として挙げられます。一方で、幼い頃の指しゃぶり、舌の癖、口呼吸などの悪い習慣が影響することもあれば、鼻の疾患が原因で口呼吸になり、それが反対咬合につながるケースもあります。前歯の生え変わりがスムーズに行かないことも関連しています。
放置すると咀しゃく機能に障害が生じ、食事の効率が悪くなることや噛み合わせの力が弱まることが挙げられます。飲み込みや発声が困難になったり、顔の外観にも影響を及ぼしたりすることがあります。特に顎の突出は見た目に影響を及ぼすほか、顎の成長にも悪影響を与えることがあります。また、常に口が開いた状態でいることは、笑った時に前歯や歯ぐきが目立つことにつながり、自信を損ねることもあります。口が閉じにくいことで口腔内の健康にも悪影響を及ぼし、むし歯や歯周病のリスクが高まり、口腔内の清掃が困難なので、結果として口臭の原因にもなり得ます。さらに、影響は口腔内だけに留まらず全身にわたる場合があり、咀しゃく障害は消化機能にも影響を及ぼし、胃腸の問題につながったり、咬合のアンバランスから肩こりなどの身体的不調を引き起こしたりすることもあります。
5歳以下の治療法

5歳以下で乳歯だけの子どもに見られる反対咬合は、慎重な対応が求められます。この時期は乳歯列期と呼ばれ、歯科医師は子どもの歯並びの変化を注視し、それに応じて経過を観察するか治療を開始するかを決定します。
経過観察では、定期的な検診を通じて歯並びの変化を確認し、他の問題が生じていないかをチェックします。これらの検診は通常半年ごとに行われます。一方で、反対咬合の原因を特定することも大切です。悪い癖が関係していることが多く、例えば指しゃぶりや舌癖などが歯並びに影響を与えることがあります。
治療が必要と判断された場合、まずはこれらの悪習慣を止めるよう指導することで、反対咬合の改善や将来の歯並びの問題を予防することができます。治療には取り外し可能な歯科装置が用いられ、主に家庭内で装着します。治療期間は一般的に6ヵ月ほどで、4〜6週間ごとの通院が必要になります。
小児の反対咬合は早期発見が重要であり、適切な介入によって子どもの成長に合わせた歯並びと噛み合わせの改善を図ることが可能です。早期に悪習慣を改善し、必要な場合には矯正装置を使用することで、子どもの歯と顎の健康な成長をサポートすることができます。
経過観察と治療の選択は、子どもの個々の状況によって異なります。矯正歯科専門の歯科医師が詳細な検査を行い、子どもの年齢、反対咬合の程度、原因などを総合的に評価した上で、保護者と相談し、適切な治療計画を立てます。
治療に際しては、子どもが装置を快適に使用できるように配慮し、保護者に対しては装置の使用方法やお手入れの指導を丁寧に行います。また、治療の進捗については定期的な通院を通じてフィードバックされ、必要に応じて治療方法の調整が行われます。
乳歯列期の反対咬合を適切に管理することで、子どもの健やかな成長を支えるとともに、将来的な複雑な矯正治療が不要になる可能性を高めることができます。保護者は子どもの歯の発育に注意を払い、早期に歯科医師のアドバイスを求めることが肝心です。
6歳〜10歳の治療法

6歳〜10歳の子どもで反対咬合が見られる場合、永久歯が生え始めていることが一般的です。この時期に反対咬合が問題となる原因として、前歯の生え方の問題、顎の発育の不均衡、悪い習慣(下唇を噛む、指しゃぶり、口呼吸など)が挙げられます。
受け口の矯正治療は、永久歯がすべて生え揃ってから始めるべきかという問いに対する答えはNOです。この年代の反対咬合を放置すると、下顎前突が悪化する可能性が高く、顔が変形してしまうこともあります。顎の成長バランスが悪い場合は、成長期を利用してバランスを整えることが可能です。
この時期は通常、歯科矯正治療を開始する適切な時期です。矯正治療を専門とする歯科医師に相談し、状況を確認することが大切です。治療を開始することで将来的な噛み合わせの問題を予防できるだけでなく、永久歯の抜歯を避けられる可能性も高まります。
反対咬合の治療は個々の状況によって異なります。歯科矯正専門医による詳細な検査や診断を受け、適切な治療計画を立ててもらうことが重要です。治療を開始する際には、子どもや保護者に対して治療方法や装置の使用について理解を深めることも欠かせません。
具体的な治療法1:前歯の傾きを改善し受け口を改善する方法
治療期間は通常6ヵ月前後です。
具体的な治療法2:顎の発育を誘導し、バランスを改善する方法
治療期間は通常1〜1.5年前後です。
具体的な治療法3:悪習癖が強い場合、癖をやめるためのトレーニング
個々の状況に合わせたアプローチがあります。
この時期には、通常の全体的な矯正装置は必要ない場合があります。舌側矯正装置(STB)やマウスピース型矯正装置(インビザライン)など、より簡単な装置を使用するのが一般的です。これらの装置は、歯の裏側に装着されるか、マウスピース型として使用され、在宅時に使用します。外出時には取り外すことができます。
通院は通常、4週間〜6週間ごとです。治療終了後も定期的な検診が重要であり、顎の骨の成長や歯の生え方の状態を確認します。
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

この年代に対しては、歯並びや噛み合わせの問題を解決するための矯正歯科治療があります。全体的に治療を行う場合と、部分的に治療が必要な場合があります。
治療法1:歯並びや噛み合わせを全体的に改善する場合
顎の成長が不均衡で体全体の成長がまだ進んでいる場合、顎の骨を矯正する治療が必要です。個人差がありますが、手のひらのレントゲンを撮影して成長の状況を確認し、必要に応じて顎の矯正を行います。
治療法2:歯並びや噛み合わせを部分的に改善する場合
顎の発育が不良で成長が終了している場合、顎のバランスを調整することは難しいため、歯の移動によって受け口を改善します。顎の形が著しく異常な場合は、外科的な治療が必要となることもあります。
治療法3:受け口が比較的軽度な場合
この場合、永久歯の抜歯は行わず、比較的短い期間で治療を終えることができます。
治療法4:受け口が深刻な場合
受け口の前歯にスペースがあるか、すべての永久歯が収まるか、外科的治療が必要かどうかは検査を行って判断します。受け口が深刻な場合、歯の抜歯が必要な場合もあります。また、顎の成長の不均衡が大きい場合は外科的な治療が必要となることもあります。矯正治療にはさまざまな方法があり、担当医と相談しながら適切な治療法を選択してください。治療期間は通常2年前後です。
過蓋咬合
上の歯がかぶさって
噛み合わせが深い状態
遺伝的要因による大きな顎の骨や歯の受け継ぎ、不十分かつアンバランスな顎の骨の成長(下顎の成長不良、上顎の過剰成長)、お口周りの筋肉(唇や頬など)の緊張、前歯の過剰な萌出や奥歯の萌出不足、悪い癖(指しゃぶり、舌癖、口呼吸)、鼻の病気などが原因です。放置すると以下のような問題が起こる可能性があります。
原因
- 咀しゃく障害(咀しゃく能率や咬合力の低下)
- 嚥下や発音の困難
- お顔の印象の悪化(口元の出っ張り、下顎の下がりなど)
- 前歯の外傷のリスク増加
- 顎関節症の原因になる可能性(下顎の運動障害、痛み、音)
- 全身への影響(胃腸障害、肩こりなど)
- 口腔内の清掃不良やむし歯、歯肉炎、歯周炎、口臭のリスク増加
5歳以下の治療法

5歳以下で乳歯がすべて生えており、永久歯が1本も生えていない状態で過蓋咬合が見られる場合、通常は定期的な検診を行って経過を観察します。半年に一度の検診で歯並びの変化や他の問題がないかを確認します。併せて、過蓋咬合の原因をしっかり調べる必要があります。この年代では悪い癖が原因となっていることが多く、改善するように指導します。悪い癖を改善することで、二次的な歯並びの問題を予防し、過蓋咬合の改善につながることがあります。歯科矯正を行うことはありませんが、悪い癖が改善されることで状況の改善が期待されます。
6歳〜10歳の治療法

6歳〜10歳の場合、永久歯が数本生えてきている時期に過蓋咬合が見られることがあります。これは、前歯が出っ張っていたり、深い噛み合わせになっていたりすることが原因です。矯正治療を開始する時期については、すべての永久歯が生え揃ってからではなく、悪化する前に治療を始めることが重要です。特に、顎の発育が問題となっている場合は、成長期を利用して矯正治療を行うことで改善が期待できます。アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会では、7歳までに矯正歯科の専門医による診断を受けることを推奨しています。過蓋咬合が見られる場合は、早めに専門の歯科医に相談し、適切な治療を始めることが大切です。治療の適切なタイミングを逃さず、将来の噛み合わせの問題を予防しましょう。
治療法は前歯の傾きを改善する治療(通常、治療期間は約6ヵ月前後)、顎の発育を誘導・改善する治療(通常、治療期間は約1~1.5年前後)、悪習癖を改善するためのトレーニングです。この時期には、通常の全体的な矯正装置が必要な場合は少なく、より簡単な装置で治療が可能です。舌側矯正装置(STB)やマウスピース型矯正装置(インビザライン)などの装置が使用されることが一般的です。これらの装置は比較的目立たず、快適に使用することができます。通院は通常、4週間〜6週間ごとに行います。治療終了後は定期的な検診を受け、顎の骨の成長状況や歯の状態を確認します。
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

この年代の矯正治療には以下の治療法があります。
治療法1:成長期のバランスが悪い場合
成長の状況により個人差があり、残余成長があれば顎の矯正が必要となる場合があります。
治療法2:成長期が終了している場合
顎の発育を誘導することができないため、歯を移動して過蓋咬合を改善する方法。骨格性の不正が強い場合、歯の抜歯が必要になることもあります。
治療法3:過蓋咬合がわずかな場合
通常永久歯の抜歯は行わず、比較的短期間の治療で改善することができます。
治療法4:過蓋咬合が大きい場合
前歯を後退させるスペースがあるか、すべての永久歯が現在の顎に収まるかどうかを検査し、必要に応じて永久歯の抜歯が必要な場合もあります。
治療期間は通常2年前後で、歯の抜歯を回避できる場合もあります。歯科矯正用アンカースクリューなどの追加装置を併用することで、効果的な治療が行われます。治療終了後は、定期的な検診を受けて経過を確認し、適切なケアを続けていきます。
開咬
歯がしっかり噛み合わず
隙間がある状態
開咬が生じる原因がある場合、歯が自然に正しい噛み合わせに戻ることはありません。歯はお口周りの環境のバランスが取れている場所に並ぶため、唇や頬の筋肉、舌の力などが調和していることが重要です。開咬がお口周りの悪い習癖を引き起こし、その習癖がさらに開咬を悪化させるという悪循環を生み出すことがあるため、適切な治療が必要です。開咬の原因には、下記が考えられます。
原因
- 遺伝的要因による長い顎の骨や大きな歯の受け継ぎ
- アンバランスな顎の骨の成長
- 悪い習癖(指しゃぶり、舌癖、口呼吸など)による影響
- 鼻の病気による影響
放置すると、
次のようなリスクがあります
- 咀しゃく障害(咀しゃく能率や咬合力の低下)
- 嚥下障害(食事中にクチャクチャ音を立てる)、発音が不明瞭
- 顔の印象が悪化(口元の出っ張り、長い顔など)
- 上下の顎の骨の成長に障害が生じる可能性
- 口が閉じにくい、口が常に開いている、笑うと前歯や歯ぐきが目立つ
- 前歯に外傷を受けやすい
- 顎関節症の原因となる可能性(下顎の運動障害、痛み、音)
- 全身への影響(胃腸障害、肩こりなど)
- 口腔内の清掃が困難になり、むし歯や歯周炎、口臭のリスクが高まる可能性
5歳以下の治療法

5歳以下の場合、すべての歯が乳歯で永久歯がまだ生えていない状態で開咬が見られる場合があります。この年代の開咬の原因としては、悪い習癖(指しゃぶり、舌を噛む癖、口呼吸など)が一般的です。こうした習癖によって歯の位置が変わり、開咬が引き起こされることがあります。治療には、経過観察の場合と治療を開始する場合がありますので、矯正歯科専門医に相談することが重要です。
経過観察の場合、半年に一度の定期検診を受け、歯並びの変化や他の問題がないかを確認します。開咬の原因を正確に把握することが治療の重要なステップとなります。
具体的な治療法としては、悪い習癖を改善するための指導や取り外し可能な装置の使用が考えられます。悪い習癖を改善することで開咬が改善されることが期待されます。治療期間は通常約6ヵ月前後で、定期的な通院が必要です。
6歳〜10歳の治療法

6歳〜10歳の子どもに、以下のような状況が見られる場合があります。
・奥歯や前歯の生え方が悪く、開咬が生じている
・顎の発育がバランスよく成長せず、開咬が起こっている
・悪い癖(指しゃぶり、舌を噛む癖、口呼吸など)が原因で開咬が進行している
これらの状況に当てはまる場合は、矯正治療を検討する必要があります。早めの治療によって将来的な歯並びや噛み合わせの問題を予防し、口腔の健康を維持しましょう。矯正歯科専門医に相談し、適切な治療プランを立てることが必要です。
矯正を開始する時期
開咬の矯正治療は、すべての永久歯が生え揃ってから始めるべきではありません。この年代の開咬を放置すると、より深刻な問題が生じる可能性があるからです。歯の問題だけでなく、顔の形にも影響を及ぼすことがあります。特に顎の成長バランスが悪い場合には、成長期に矯正治療を開始し、顎のバランスを整えることを目指します。
矯正治療を始める適切な時期は、歯科専門医による診断が必要です。早めに専門家の指導を受けることで、将来的に噛み合わせの問題を予防できるだけでなく、永久歯の抜歯を避ける可能性も高まります。アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会では、7歳までに専門家による歯列矯正の診断を受けることを推奨しています。
具体的な治療法1:歯の傾きを改善して開咬を矯正する方法
通常、治療期間は6ヵ月前後
具体的な治療法2:顎の発育を誘導し、バランスを改善する方法
通常、治療期間は1~1.5年前後
具体的な治療法3:悪習癖を克服するためのトレーニング方法
通常は、4週間〜6週間ごとの通院が必要です。治療終了後は、定期検診を受けて、顎の成長状況や歯の状態を確認します。また、この時期には、通常の全体的な矯正装置は必要ありません。舌側矯正装置(STB)やマウスピース型矯正装置(インビザライン)など、より簡単な装置が使用するのが一般的です。インビザラインは在宅時に使用し、外出中は外せます。
交叉咬合
上下の歯並びが
左右にズレている状態
外傷、遺伝による顎の骨の歪み、不十分かつアンバランスな顎の骨の成長、悪い癖(頬づえ、片側咀しゃく、指しゃぶり、舌癖、口呼吸など)、位置の悪い歯の干渉、不適切な歯科処置(悪い銀歯、差し歯)などが原因です。放置すると、次のようなリスクの可能性があります。
原因
- 咀しゃく障害や咬合力の低下
- 嚥下や発音の困難
- 顔の変形
- 上下の顎の成長障害
- 顎関節症のリスク増加
- 全身への影響(胃腸障害、肩こりなど)
- 口腔内の問題(清掃不良、むし歯、歯肉炎、歯周炎、口臭の原因)
5歳以下の治療法

交叉咬合の程度や原因によって経過観察や治療の必要性が異なるため、専門の矯正歯科医に相談することが重要です。経過観察の場合は、半年に1回の定期検診を受けて、歯並びの変化や他の問題の有無を確認します。交差咬合の原因が悪い癖による場合は、その悪い癖を改善することで歯並びの改善や交差咬合の解消を目指します。治療には取り外し可能な歯列矯正装置が使用され、自宅でも装置を求められることがあります。治療期間は通常約6ヵ月前後で、通院間隔は4〜6週間ごとです。子どもの交叉咬合に関する治療は短期間での改善が期待できるため、早めの専門家の診断と適切な治療が重要です。
6歳〜10歳の治療法

この年代の交叉咬合の原因として、奥歯や前歯の生え方の問題、顎の骨の成長の不均衡、悪い癖(頬づえ、偏よった咀しゃくなど)が挙げられます。放置すると悪化し、顔の形が変形する可能性もあるため、早めの矯正治療が重要です。すべての永久歯が生え揃ってから治療を開始する必要はなく、6歳〜10歳に治療を開始すれば顎の発育を誘導してバランスを整えることが可能です。この時期に治療を開始すると、将来的にも悪い噛み合わせの予防、永久歯の抜歯回避にもつながります。アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会では、7歳までに矯正歯科専門医の診断を受けることを推奨しています。
歯の傾きを改善し、交差咬合を解消する方法があり、通常、治療期間は約6ヵ月前後です。また、顎の発育を誘導してバランスを改善する方法もあり、通常、治療期間は1〜1.5年前後です。これらの他、悪習癖が原因の場合は癖を改善するためのトレーニングが行われることがあります。通院は通常、4週間〜6週間ごとで、治療終了後は定期的な検診により顎の骨の成長や歯の状態を確認します。この年代では、通常の全体的な矯正装置よりも、歯の裏側につける固定式の装置や取り外し可能なマウスピースのような装置が使用するのが一般的です。
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

この時期には、歯並びや噛み合わせの状態により、全体的な矯正治療や部分的な治療が選択されます。開咬の原因や程度に応じて、全体的な矯正装置(ブレース)が必要となる場合があります。
治療法1:成長段階の場合
顎のバランスを整えるために顎骨の矯正が行われる場合があります。
治療法2:.成長が完了している場合
顎のバランスを改善できないため、歯を移動して開咬を改善することが一般的です。骨格的な問題が深刻な場合、外科的な顎の修正が必要な場合もあります。
治療法3:開咬が軽度な場合
永久歯の抜歯を行わずに、比較的短期間で治療が終了することがあります。
治療法4:開咬が重度な場合
精密検査を行い、歯の配置や顎の状態を判断して、適切な治療法を選択します。永久歯の抜歯が必要な場合もありますが、歯科矯正用アンカースクリューなどの補助装置を併用することで抜歯を回避することも可能です。
治療期間は通常約2年です。
空隙歯列
歯と歯の間の隙間が
大きく目立つ状態
原因
- 遺伝的要因による大きな顎や小さな歯の受け継ぎ
- 顎の骨のアンバランスな成長
- 悪い癖(指しゃぶり、舌の癖、口呼吸など)
- 大きな舌
- 歯の数の異常
放置すると、
次のような影響が考えられます
- 咀しゃくや嚥下障害の可能性
- 不明瞭な発音
- 口元の印象の悪化
- 上下の顎の成長障害
- 口の閉じにくさや常に口が開いている状態
- 前歯の外傷リスク
- 顎関節症の原因となる可能性
- 全身への影響(胃腸障害、肩こりなど)
- 口腔内の清掃困難やむし歯、歯周病、口臭のリスク増加
5歳以下の治療法

この年齢の空隙歯列は、悪習癖(指しゃぶり、舌を噛む癖、口呼吸など)によって引き起こされることが多いため、経過観察と治療開始の2つのアプローチがあります。空隙歯列の程度や原因によって異なるため、矯正歯科専門医に相談することが重要です。
経過観察の場合、半年ごとに定期検診を受け、歯並びの変化や他の問題の確認を行います。原因を調査し、必要に応じて治療を行います。治療では悪習癖の改善を目指すことが重要であり、取り外し可能な装置を用いて自宅でも使用します。治療期間は通常約6ヵ月前後で、4〜6週ごとの通院が一般的です。
6歳〜10歳の治療法

この年代の空隙歯列は、以下の要因によって生じる可能性が考えられます。
・奥歯や前歯の生え方が悪い
・悪い癖(指しゃぶり、舌を噛む癖、口呼吸など)がある
・小帯(唇や頬から歯ぐきに伸びるすじ)が太い
・歯の大きさと顎の大きさのバランスが取れていない
放置すると悪化する可能性があるため、空隙歯列の矯正治療は、すべての永久歯が生え揃ってから行うものではありません。成長期を活かして顎のバランスを整えることができるため、この年代に矯正治療を開始することが重要です。通常、6歳〜10歳が矯正治療を開始する適切な時期とされています。専門の矯正歯科医に相談し、治療を受けることで将来的にも適切な噛み合わせを維持できる可能性が高まります。アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会も、7歳までに専門医の診断を受けることを推奨しています。
※治療法は、個々の原因や程度によって異なります。
具体的な治療法1:歯の位置を調整して空隙歯列を改善する方法
通常、治療期間は約6ヵ月前後です。
具体的な治療法2:顎の発育を誘導してバランスを改善する方法
治療期間は通常1〜1.5年前後です。
悪習癖が原因の場合、癖を改善するためのトレーニングが行われることがあります。通院は通常、4週間〜6週間ごとで、治療終了後は定期的な検診が行われ、顎の骨の成長や歯の状態が確認されます。この時期には一般的な全体的な矯正装置よりも、歯の裏側に取り付ける固定装置や取り外し可能なマウスピースのような装置を使用するのが一般的です。
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

この年代の治療は個々の症例に応じて異なります。顎の成長のバランスが悪い場合には、顎の骨の矯正を行うことがあります。成長の状況によって治療が異なるため、レントゲンなどで確認を行います。一方、顎の発育が悪い場合には、歯を移動して空隙歯列を改善し、適切な噛み合わせを目指します。必要に応じて外科的な処置も行われることがあります。また、わずかな空隙歯列の場合は永久歯の抜歯が不要なことが多く、比較的短期間の治療で改善されることがあります。重度の空隙歯列の場合には、精密検査を行って適切な治療法を選択します。治療期間は通常約2年前後です。
上下顎前突
口元が盛り上がった
いわゆる口ゴボの状態
原因
- 遺伝的要因 上下顎前突は遺伝的に引き継がれることがあります。親や祖父母が同じような不正咬合を持っている場合、子どもにもその傾向が見られる可能性が高くなります。
- 環境的要因 不適切な口腔習癖:指しゃぶり、舌の突出、口呼吸などの習癖が長期間続くと、顎の成長や歯の位置に影響を与えることがあります。 早期の乳歯の喪失:乳歯が早期に抜けると、永久歯が正しい位置に生えなくなることがあります。 咬合異常:噛み合わせの問題や歯の位置の異常により上下顎前突が起こることがあります。
- 発育・成長の問題 骨格の成長異常:上顎や下顎の骨の成長が通常とは異なる場合、上下顎前突が発生することがあります。 成長期の影響:成長期における骨の発達が不均衡になると、顎の前突が強調されることがあります。
- その他 外傷:顎や顔面への外傷が原因で、顎の位置が変わることがあります。 病気や障害:一部の遺伝性疾患や骨の成長に影響を与える病気が原因となることもあります。
こうした状態を放置すると、
さまざまな問題が懸念されます
- 審美的問題 見た目の問題:顎や歯の突出が目立ち、顔のバランスが崩れることがあります。これが原因で、自信を失ったり、心理的なストレスを感じたりすることがあります。
- 機能的問題 咀しゃく機能の低下:正常な噛み合わせができないため、食物を効果的に咀しゃくできず、消化に問題が生じることがあります。 発音障害: 歯や顎の位置に問題があり、一部の音を正確に発音できないことがあります。 口腔内のトラブル:歯ブラシが届きにくい部分が増えるため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
- 咬合の問題 顎関節症(TMD): 不正咬合が原因で顎関節に過度な負担がかかり、痛みや開口障害、顎の音などの症状が現れることがあります。 歯の摩耗:異常な噛み合わせが原因で、特定の歯が過度に摩耗することがあります。
- 成長発育の問題(子どもの場合) 顎の成長異常:上下顎前突が成長期に発生した場合、顎の正常な発育が妨げられることがあります。 顔貌の変形:顎の不正が成長するにつれて強調され、顔の形やバランスに影響を与えることがあります。
- 精神的・社会的影響 自己評価の低下:見た目や機能的な問題が原因で、自信を失ったり、社会的な場面でのストレスが増えたりすることがあります。 社会生活への影響:発音の問題や見た目のコンプレックスが原因で、学校や職場、友人関係などの日常生活においてコミュニケーションが取りづらくなることがあります。
- 健康全般への影響 栄養状態の悪化:咀しゃく機能の低下により、硬い食品を避けるようになり、栄養のバランスが崩れることがあります。 睡眠障害:口呼吸や顎の位置異常が原因で、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を引き起こす可能性があります。
- その他の身体的問題 頭痛や首の痛み:不正咬合による顎関節や咀しゃく筋の負担が原因で、頭痛や首の痛みが生じることがあります。 姿勢の悪化:不正咬合が原因で、全身の姿勢に悪影響を及ぼすことがあります。
5歳以下の治療法

5歳以下の子どもの場合、早期治療や予防が重要です。
・早期検診と診断
定期的な歯科検診:5歳未満の子どもも、乳歯が生え始めたら歯科医院で定期的に診察を受けることが重要です。
早期の診断:歯科医は早い段階から歯列や咬合の発育をチェックし、不正咬合の早期発見や診断を行います。
・予防的なアプローチ
口腔習慣の指導:指しゃぶりや舌の突出などの口腔習慣がある場合、その改善や対策を指導します。
フッ素塗布:歯の予防ケアとして、フッ素塗布を行い、むし歯の予防をサポートします。
・機能的矯正装置の使用
フランケル装置:成長期の顎の発育を促進するためにフランケル装置が使用されることがあります。
バイオネーター:顎の成長を調整する目的で、バイオネーターなどの機能的矯正装置が用いられることがあります。
・保護的なアプローチ
歯の保護: 歯を守るため、歯を保護するマウスガードやスペースメイカーなどの装置が必要な場合があります。
歯科衛生士の指導:歯科衛生士による歯みがき指導や口腔ケアの指導を受け、歯の健康を維持することが重要です。
・早期治療の重要性
成長期の活用:子どもの成長期は顎の発育に影響を与えるため、早い段階で治療を始めることが重要です。
問題の進行防止:早期に対処することで、上下顎前突や他の不正咬合の進行を防ぎ、健康な歯並びや正常な噛み合わせを促進します。
・保護者の役割
定期的な歯科検診:子どもの歯科検診を怠らず、定期的に歯科医を受診させることが大切です。
口腔環境の管理:正しい歯みがき方法や口腔衛生の重要性を子どもに教え、口腔環境を管理する手助けを行います。
6歳〜10歳の治療法

6歳〜10歳の子どもにおける上下顎前突の治療では、成長期の顎の発育に合わせた矯正治療が主なアプローチです。
・矯正治療の選択肢
機能的矯正装置:成長期の子どもには、顎の成長を促進するための機能的矯正装置が使用されることがあります。フランケル装置やバイオネーターなどが一般的です。
固定式ブレース:歯列矯正で歯の位置を調整する場合、固定式ブレース(メタルブラケットやクリアブラケットなど)が使用されることがあります。
外科的治療: 重度の上下顎前突の場合、成長期後半などの適切なタイミングで外科手術が必要になることがあります。
・治療のタイミングと成長期の活用
成長期の重要性:子どもの成長は顎の発育に影響を与えるため、適切なタイミングで治療を開始することが重要です。
定期的なフォローアップ:治療中は定期的に歯科医や矯正歯科を受診し、治療の進行状況を確認し、必要に応じて調整を行います。
・保護者の役割
協力とサポート:子どもが治療や装置のケアに協力的であるよう、サポートを行いましょう。
口腔環境の管理:正しい歯みがき方法や口腔ケアの指導を行い、口腔環境を清潔に保つことが重要です。
定期的な歯科検診:定期的に歯科検診を受けさせ、専門家のアドバイスや指導を受けるよう心がけましょう。
・予防的なアプローチ
口腔習慣の指導:指しゃぶりや舌の突出などの口腔習慣がある場合、その改善や対策を指導します。
フッ素塗布:歯の予防ケアとして、フッ素塗布を積極的に行いむし歯予防をサポートします
11歳〜25歳の永久歯列の治療法

11歳〜25歳未満の若年層は成長が進んでいる段階であり、矯正治療がより効果的に行われることが特徴です。
・治療方法
固定式ブレース:メタルブラケットやクリアブラケットなどの固定式ブレースを使用して、歯の位置を調整し、咬合を改善します。
透明なアライナー:インビザラインなどの透明なアライナーを使用することで、外見を気にすることなく矯正治療を受けることができます。
外科的治療:重度の上下顎前突の場合、外科手術(オステオトミーなど)を検討することがあります。
・治療のタイミングと成長期の活用
成長期の終了:成長期が終了している若年層においては、骨格的な成長が緩やかになるため、治療計画を立てる際に注意が必要です。
個々の症例に合わせた計画:患者さんの症状や希望に合わせて、個別に適した矯正治療計画を立てます。
・保護者のサポート
治療計画の理解:治療計画や進行状況を理解し、専門家とのコミュニケーションを円滑に行うために、保護者のサポートが重要です。
定期的なフォローアップ:治療中は定期的に歯科医や矯正歯科医を受診し、治療の進行状況を確認し、必要に応じて調整を行います。
・自己管理と予防
口腔衛生の重要性:歯周病やむし歯などのリスクを軽減するために、適切な歯みがきやフロスの使用、定期的な歯科検診を徹底しましょう。
口腔環境の改善:健康的な食事習慣や口呼吸の改善など、口腔環境を整えることで治療の効果を高めることができます。
・心理的サポート
治療への理解と協力:治療の理由や進行について子どもに理解を深め、協力的な姿勢を育むことが重要です。
見た目やコンプレックスへの配慮:矯正治療中は見た目に気を使うことがあるため、子どもの自尊心を保つためにサポートを行いましょう。
成人の治療

成人の上下顎前突の治療は、成長が終了しているため、骨格的な変化が難しい場合がありますが、歯列矯正や外科手術を組み合わせた治療が行われることがあります。
・矯正治療方法
固定式ブレース:メタルブラケットやクリアブラケットなどの固定式ブレースを使用し、歯の位置を調整して咬合を改善します。
透明なアライナー:インビザラインなどの透明なアライナーを使用して、外見を気にせずに治療を受けることができます。
外科的治療:重度の上下顎前突の場合、外科手術(オステオトミーなど)を行い、骨格的な変化をもたらすことがあります。
・治療のタイミングと成人の特徴
骨格的な変化の限界:成人は骨格的な変化が限られているため、治療計画を立てる際にはその限界を考慮する必要があります。
個々の症例に合わせた計画:患者さんの症状や希望に合わせて、個別に適した矯正治療計画を立てます。
・保護者や家族のサポート
理解と協力:家族やパートナーの理解と協力が治療の成功につながる重要な要素となります。家族やパートナーが患者さんをサポートし、治療期間中のストレスを軽減することが役立ちます。
治療の費用:成人の矯正治療は費用がかかる場合があり、費用についても家族や患者自身が理解し、計画的に対応することが重要です。
・自己ケアと予防
定期的な歯科検診:矯正治療中も定期的に歯科医を受診し、口腔健康を維持するためのケアを行いましょう。
口腔衛生の徹底:歯の矯正治療中は、歯みがきやフロスの使用などの口腔衛生を特に注意深く行うことが重要です。
・心理的サポート
治療への理解と受容:矯正治療中は見た目や食事に制限が生じることがあり、その変化を受け入れるための心理的なサポートが必要です。
自己肯定感の維持:矯正治療中の自己肯定感を維持するために、家族や友人からのサポートやポジティブなフィードバックが重要です。