
港区赤坂・赤坂見附の歯医者・矯正歯科「赤坂B&S歯科・矯正歯科」です。
親知らずの抜歯後、「歯磨きをすると血が出てくる」「このまま磨いて良いのだろうか」「何か間違ったケアをしているのではないか」と不安を感じる方は少なくありません。抜歯後のデリケートな期間は、傷口の回復を妨げないように正しいケアを行うことが非常に重要です。この記事では、親知らず抜歯後の出血の一般的な原因から、回復を遅らせてしまう「やってはいけないNG行動」、抜歯からの時期に合わせた適切な歯磨き方法やケアのポイント、万が一トラブルが起きた際の具体的な対処法まで、専門的な情報をわかりやすく解説します。
親知らず抜歯後の歯磨きで血が…まず確認したいこと
親知らずの抜歯後、歯磨きをすると血が出てきて「このままで大丈夫なのだろうか」と不安に感じるのはごく自然なことです。多くの場合、抜歯後の出血は治癒の過程で起こる一時的なものであり、過度に心配する必要はありません。しかし、出血の量や状態によっては歯科医院に相談すべきケースもあります。
まず、歯磨き時に唾液にピンク色の血が混じる程度であれば、傷口からにじむ少量の出血であることがほとんどです。これは、抜歯によってできた傷口が回復していく過程で起こりうる自然な現象です。特に、抜歯当日から数日間は、傷口が非常にデリケートなため、わずかな刺激でも出血しやすい状態にあります。
ですが、もし「出血の量がどんどん増えている」「鮮やかな赤色の血が止まらない」「大きな血の塊が繰り返し出てくる」といった場合は、注意が必要です。次のセクションでは、正常な出血と危険な出血を見分ける具体的なポイントについて詳しく解説します。
なぜ血が出る?傷口を守る「血餅(けっぺい)」が重要
親知らずを抜歯した後の穴には、「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊が作られます。これは、まるでかさぶたのように傷口を覆い、保護する役割を果たす大切な存在です。血餅は、抜歯後の骨や歯茎の治癒を促す「天然の絆創膏」とも言えるでしょう。
この血餅が傷口を適切に覆うことで、細菌感染から守り、新しい骨や組織が再生する足がかりとなります。もし、歯磨きなどの刺激によってこの血餅が剥がれてしまうと、抜歯後の穴の骨が露出してしまい、そこに細菌が感染することで激しい痛みを伴う「ドライソケット」を引き起こすリスクが高まります。
ドライソケットは非常に痛みが強く、治癒に時間がかかってしまうため、抜歯後の回復をスムーズに進めるためには、何よりも血餅を大切に守ることが重要になります。だからこそ、抜歯後のデリケートな時期には、傷口への刺激を最小限に抑えるような歯磨きやケアが求められるのです。
これは正常な出血?危険な出血?見分けるポイント
抜歯後の出血は、その状態によって正常なものと、歯科医院への連絡が必要なものとに分けられます。ご自身の出血がどちらに当てはまるのかを判断できるよう、具体的な目安を知っておきましょう。
「正常な出血」とは、唾液にピンク色が混じる程度で、数分で自然に止まるものを指します。これは、傷口から少しずつにじむ出血であり、ガーゼなどを軽く噛んで圧迫すればすぐに止まることがほとんどです。抜歯後1~2日はこのような出血が続くことがありますが、ご心配はいりません。
一方で、すぐに歯科医院に相談すべき「危険な出血」には、いくつかのサインがあります。たとえば、鮮やかな赤色の血がドクドクと途切れることなく出続ける場合や、大きな血の塊が頻繁に出てくる場合です。また、清潔なガーゼを抜歯部位にしっかり当てて30分以上噛んでも出血が止まらない場合も、速やかに歯科医院へ連絡してください。これらの症状は、傷口が適切に塞がっていない可能性や、血管が損傷している可能性を示唆しています。
回復を遅らせる!親知らず抜歯後にやってはいけない5つのNG行動
親知らずの抜歯後、無事に傷口が治癒していくためには、ご自身での適切なケアが非常に大切です。しかし、中には良かれと思って行った行動が、かえって回復を遅らせたり、痛みや合併症を引き起こしたりする「NG行動」となる場合があります。特に、治癒の鍵となる「血餅(けっぺい)」を傷つけてしまうと、激しい痛みを伴うドライソケットのリスクが高まります。ここでは、抜歯後の回復を妨げる具体的な5つのNG行動と、それがなぜいけないのかを詳しく解説していきます。これらの行動を避けることで、より早く、安心して抜歯後の期間を過ごせるようになります。
NG行動1:抜歯当日に歯磨きをする・患部に触れる
親知らずを抜歯した当日は、麻酔が効いているため、お口の中の感覚が鈍くなっています。このような状態で無理に歯磨きをしてしまうと、誤って傷口を強くこすってしまったり、歯ブラシの毛先が直接当たってしまったりするリスクがあります。抜歯後の傷口には、出血が止まって固まった「血餅」という、かさぶたのようなものができていますが、これは非常にデリケートです。歯ブラシの刺激でこの血餅が剥がれてしまうと、再出血の原因となるだけでなく、傷の治りが遅れたり、最悪の場合「ドライソケット」という激しい痛みを伴う状態を引き起こす可能性があります。
また、歯磨きだけでなく、指や舌でついつい傷口に触れてしまう行為も避けるべきです。手には目に見えない雑菌がたくさん付着していますし、舌で触ることで血餅が剥がれてしまうこともあります。抜歯当日は、できるだけ傷口に刺激を与えず、安静に過ごすことが最も重要です。
NG行動2:強いうがい(ぶくぶくうがい)
抜歯後のNG行動の中でも特に注意が必要なのが、口を「ぶくぶく」と強くすすぐ行為、いわゆる強いうがいです。強いうがいは、ドライソケットの最も一般的な原因の一つとされています。口の中に強い圧力がかかることで、せっかく傷口にできた血餅が洗い流されてしまうリスクがあります。血餅が流れてしまうと、骨がむき出しの状態になり、細菌感染を起こしやすくなるだけでなく、激しい痛みを引き起こすドライソケットになる可能性が高まります。
うがいをする際は、水を口に含んだら、頬を膨らませたり強くすすいだりせずに、そのまま静かに顔を傾けて吐き出す「含みうがい」を心がけてください。歯科医師から処方されたうがい薬がある場合も、同様に優しく使うようにしましょう。抜歯後数日間は特に、血餅を洗い流さないよう細心の注意を払うことが大切ですす。
NG行動3:血行が良くなる行動(長風呂・激しい運動・飲酒)
抜歯後には、血行が良くなる行動を避けることが推奨されます。具体的には、長時間の入浴、激しい運動、そして飲酒などが挙げられます。これらの行動は体温を上昇させ、血流を促進するため、一度止まったはずの抜歯部位から再び出血が始まる「再出血」のリスクを高めてしまいます。
特に抜歯後2〜3日は、シャワー程度に済ませ、湯船に浸かるのは控えるようにしましょう。運動についても、普段の軽いウォーキング程度であれば問題ない場合もありますが、息が上がるような激しい運動は避けて、安静に過ごすことが大切です。飲酒は血管を拡張させ、出血しやすくなるだけでなく、アルコールの分解で免疫力が低下し、感染のリスクを高める可能性もありますので、少なくとも抜歯後数日間は控えるようにしてください。
NG行動4:喫煙
喫煙は、親知らず抜歯後の回復に二重の悪影響を及ぼすため、できる限り避けるべき行動です。まず、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。これにより、傷口周辺の血流が悪くなり、治癒に必要な酸素や栄養が十分に供給されなくなるため、傷の治りが遅れてしまいます。また、免疫機能も低下させるため、感染のリスクも高まります。
さらに、タバコを「吸う」という行為そのものが、お口の中を陰圧(負圧)にするため、せっかくできた血餅が剥がれ落ちやすくなるリスクがあります。血餅が剥がれてしまうと、前述のドライソケットを引き起こし、強い痛みを伴うことになります。可能であれば、抜歯の前後から禁煙することが、スムーズな回復には理想的です。
NG行動5:傷口の食べカスを無理に取ろうとする
親知らずを抜歯した穴に食べ物が詰まってしまうと、不快感や口臭の原因になることがあり、ついつい取り除きたくなるものです。しかし、爪楊枝や指、あるいは硬い歯ブラシなどで無理やり食べカスを取ろうとするのは絶対に避けてください。これらの行為は、治りかけの傷口や、傷口を守る大切な血餅を傷つけてしまうリスクが非常に高いです。
傷口を不用意に刺激すると、再出血や感染を引き起こすだけでなく、血餅が剥がれて激しい痛みを伴うドライソケットになってしまう可能性があります。食べカスが詰まってしまった場合の正しい対処法は、後のQ&Aセクションで詳しくご説明しますが、ここでは「無理に触らない」ということを強く意識してください。
【時期別】親知らず抜歯後の正しい歯磨き・ケア方法
親知らずの抜歯後、いつからどのように歯磨きをすればよいのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。このセクションでは、抜歯後の回復状況に合わせて、時期ごとの正しい歯磨きや口腔ケアの方法を具体的にご紹介します。抜歯当日からの適切なケアを実践することで、出血や感染のリスクを減らし、スムーズな回復を促すことができます。これからお伝えする内容を参考にして、ご自身の状態に合わせた適切なケアを行いましょう。
抜歯当日(〜24時間):歯磨きはNG!うがいは優しく
抜歯当日は、原則として歯磨きは控えてください。麻酔が効いている間は感覚が鈍くなっているため、誤って傷口を強く刺激してしまう危険性があるからです。特に抜歯したばかりの傷口には、治癒の鍵となる「血餅(けっぺい)」が形成され始めています。歯ブラシが直接当たってしまうと、この大切な血餅を剥がしてしまい、激しい痛みを伴う「ドライソケット」の原因となることもあります。
もしお口の中をゆすぎたい場合は、処方されたうがい薬や常温の水を口に含み、顔を傾けるようにして静かに吐き出す「含みうがい」に留めてください。決して「ぶくぶく」と強くうがいをしてはいけません。抜歯当日は、とにかく安静に過ごし、傷口に刺激を与えないことが最優先です。食事のカスが気になるかもしれませんが、無理に取ろうとせず、翌日以降のケアで徐々に清潔にしていく意識でいましょう。
抜歯翌日〜3日目:ケアを開始する時期
抜歯翌日からは、少しずつ口腔ケアを再開することができます。ただし、抜歯した箇所はまだデリケートな状態ですので、細心の注意が必要です。抜歯した箇所以外の歯、たとえば反対側の歯や、抜歯部位から離れた健康な歯は、柔らかい歯ブラシを使って優しく丁寧に磨き始めましょう。この際、歯磨き粉は刺激の少ないものを選び、少量を使用することをおすすめします。
抜歯した部分の周辺は、まだ歯ブラシを直接当てないようにしてください。うがいは引き続き「含みうがい」を継続し、口に含んだ水やうがい薬を、傷口に直接当てないよう注意しながら静かに排出します。食べカスが詰まって気になるかもしれませんが、無理に歯ブラシで取り除こうとすると血餅を傷つける可能性があります。この時期は、抜歯部位への刺激を避けつつ、他の健康な歯を清潔に保つことを心がけましょう。
抜歯4日目〜1週間(抜糸前):徐々に普段通りに
抜歯後4日目くらいになると、傷口の回復が進み、痛みや腫れが落ち着いてくる方が多いでしょう。この時期からは、抜歯した箇所の隣の歯など、これまで避けがちだった部分も少しずつケアを開始できます。ヘッドが小さく、毛が柔らかい歯ブラシや、「ワンタフトブラシ」と呼ばれる部分磨き用の歯ブラシを使うと、傷口を避けながらピンポイントで磨きやすくなります。
縫合している場合は、糸に歯ブラシが引っかからないように特に注意してください。糸が取れてしまうと、治癒が遅れたり、痛みが出たりする原因となります。まだ強い「ぶくぶくうがい」は避け、引き続き「含みうがい」を継続しましょう。少しずつ普段の歯磨きに近い形に戻していく時期ですが、傷口への配慮は忘れずに行うことが大切です。
抜糸後:傷口の状態を確認しながら完全再開
抜糸が完了すれば、基本的には普段通りの歯磨きに戻すことができます。しかし、抜歯した穴(歯槽窩)が完全に骨で埋まるまでには数ヶ月かかります。抜糸後も、しばらくの間は穴が少し凹んだ状態になっているため、食べカスが詰まりやすいことがあります。
そのため、抜歯した箇所の穴には、ワンタフトブラシなどを使い、優しく丁寧に食べカスをかき出すように清掃することをおすすめします。無理な力を加えたり、尖ったもので触ったりしないよう注意してください。長期的な視点で見ても、清潔な口腔環境を保つことは、再度のトラブルを防ぎ、健康な口内を維持するために非常に重要です。
【アイテム別】抜歯後の歯磨きを安全に行うためのポイント
親知らずの抜歯後は、お口の中が非常にデリケートな状態です。この時期の歯磨きは、傷口を刺激せずに清潔を保つことが大切になります。適切な道具を選ぶことで、痛みや出血のリスクを減らし、安心してケアを進めることができます。ここでは、歯ブラシ、歯磨き粉、うがい薬の3つのアイテムに注目し、それぞれ安全に歯磨きを行うためのポイントを詳しく解説します。
歯ブラシ:ヘッドが小さく、やわらかい毛のものを選ぶ
抜歯後のデリケートな口腔ケアにおいて、歯ブラシ選びは非常に重要です。まず、ヘッドが小さい歯ブラシを選ぶようにしてください。ヘッドが小さいと、抜歯した部分を避けながら、他の健康な歯をピンポイントで丁寧に磨くことができます。これは、傷口への誤った接触を防ぎ、不必要な刺激を与えるリスクを減らす上で非常に役立ちます。
また、毛のやわらかさも大切なポイントです。「やわらかめ」または「超やわらかめ」と表示されている歯ブラシを選びましょう。やわらかい毛は、歯茎や傷口周辺への刺激を最小限に抑え、痛みや出血を防ぎます。特に抜歯した直後から数日間は、傷口が回復する大切な時期なので、できるだけやさしい力で磨ける歯ブラシを選ぶことが賢明です。さらに、奥歯の細かい部分や、抜歯窩(抜歯した後の穴)の周囲を清掃する際には、ヘッドが非常に小さく、毛束がひとつにまとまっている「ワンタフトブラシ」の活用もおすすめです。これにより、通常の歯ブラシでは届きにくい場所も安全かつ効果的にケアできます。
歯磨き粉:低刺激・研磨剤無配合のジェルタイプがおすすめ
抜歯後の歯磨き粉選びも、傷口の回復を妨げないために重要なポイントとなります。まず、発泡剤が多く含まれている歯磨き粉は避けることをおすすめします。発泡性の高い歯磨き粉は、口をすすぐ際に強いうがいが必要になりやすく、その水圧で血餅が剥がれてしまうリスクがあるためです。そのため、「低発泡性」または「発泡剤無配合」の製品を選ぶと良いでしょう。
さらに、傷口を刺激しないよう「研磨剤(清掃剤)無配合」や「低刺激性」の製品を選ぶことが大切です。特にジェルタイプの歯磨き粉は、研磨剤を含まないものが多く、粘膜に優しいため、抜歯後の口腔ケアに適しています。殺菌成分が配合された製品であれば、口腔内を清潔に保ち、感染リスクを低減する効果も期待できます。ただし、刺激が強いと感じる場合は使用を中止し、水磨きに切り替えるなどして、ご自身の状態に合わせて無理なくケアをしてください。
うがい薬・洗口液:アルコールフリーのものを選ぶ
抜歯後の口腔衛生を保つ上で、うがい薬や洗口液(マウスウォッシュ)は非常に有効ですが、製品選びには注意が必要です。アルコール(エタノール)を多く含む製品は、傷口にしみたり、刺激が強すぎたりすることがあります。また、アルコールには口腔内を乾燥させる作用もあるため、傷口の回復を遅らせる可能性も考えられます。そのため、「ノンアルコール」または「アルコールフリー」と明確に記載されている、低刺激性の製品を選ぶようにしてください。
歯科医院から処方されたうがい薬がある場合は、それが最も効果的かつ安全なものであるため、必ずその指示に従って使用することが最優先です。市販のうがい薬を使用する場合も、口に含んで強く「ぶくぶく」とうがいをするのではなく、優しく口に含んで顔を傾ける「含みうがい」に留めるようにしましょう。これにより、血餅が剥がれるリスクを最小限に抑えながら、口腔内を清潔に保つことができます。
【トラブル別】親知らず抜歯後のよくある質問と対処法
親知らずの抜歯後には、さまざまな疑問や不安が生じやすいものです。出血や痛み、食事の詰まりなど、多くの方が経験する共通の悩みに対して、このセクションではQ&A形式で具体的な対処法をご紹介します。正しい知識を身につけることで、ご自身の状況を理解し、安心して回復期間を過ごせるようにしましょう。
Q. 歯磨き中に血が出てきたらどうすればいい?
歯磨き中に抜歯した部分から血が出てくると、驚かれるかもしれません。しかし、まずは落ち着いて歯磨きを中断してください。そして、清潔なガーゼやティッシュを小さく丸めて、出血している部分に優しく当て、20〜30分程度しっかりと噛んで圧迫止血を試みましょう。
もし、圧迫止血を30分行っても出血が止まらない場合や、出血の量が多いと感じる場合は、迷わず歯科医院に連絡してください。少量の出血であれば、回復の過程で起こりうる自然な現象であることも多いので、過度に心配しすぎないことも大切です。
Q. 抜いた穴に食べ物が詰まったらどう取る?
抜歯後の穴に食べ物が詰まることはよくありますが、爪楊枝や指、硬い歯ブラシなどで無理やり取り除こうとするのは絶対に避けてください。傷口を傷つけたり、治癒に必要な血餅(けっぺい)を剥がしてしまったりする原因となり、感染やドライソケットといった深刻なトラブルにつながる可能性があります。
食べ物が詰まった場合は、まずぬるま湯を口に含んで、顔を傾けるようにして優しくうがい(含みうがい)を試してください。強い「ぶくぶくうがい」は血餅を剥がすリスクがあるため控えるべきです。もしそれで取れない場合でも、無理に触らず、自然に取れるのを待つか、心配であれば歯科医院に相談して洗浄してもらいましょう。ウォーターピックは水圧が高く、血餅を飛ばしてしまうリスクがあるため、ご自身の判断で使用するのは控えるのが賢明です。
Q. 痛みが続く、または強くなってきた。これって大丈夫?
親知らず抜歯後の痛みは、通常、抜歯から2〜3日目がピークで、その後は徐々に和らいでいくことが一般的です。処方された痛み止めを服用することで、多くの場合、コントロールできるでしょう。
しかし、もし一度痛みが治まっていたにもかかわらず、抜歯後3〜5日目あたりから再び痛みが強くなったり、ズキズキと脈打つような激しい痛みに変わったりした場合は、「ドライソケット」という合併症の可能性があります。これは血餅が剥がれて骨が露出してしまうことで起こる、強い痛みを伴う状態です。このような症状が見られた際は、我慢せずにすぐに歯科医院に連絡し、診察を受けてください。
Q. 抜歯後の口臭が気になる場合の対策は?
抜歯後に口臭が気になる方もいらっしゃるかもしれません。これは、抜歯部分からの血液の匂いや、痛みで十分に歯磨きができないことによるプラークの蓄積、あるいは傷口に溜まった食べカスなどが原因となることが多いです。一時的なものであり、治癒が進むにつれて改善されることがほとんどです。
対策としては、まず抜歯した箇所以外の健康な歯を丁寧に磨き、清潔を保つことを心がけましょう。また、舌の表面に付着する舌苔(ぜったい)も口臭の原因となるため、柔らかい舌ブラシなどで優しく清掃するのも効果的です。うがい薬を使用する場合は、ノンアルコールタイプのものを選び、優しく含みうがいをすることで、口腔内を清潔に保ちつつ刺激を抑えることができます。
Q. 抜いた穴に白いものが見えるけど何?
抜歯した穴の中に白いものが見えると、膿ではないかと不安に感じるかもしれません。しかし、その白いものの多くは「フィブリン」と呼ばれる、傷口が治る過程で形成される膜のような組織です。これは、血餅が安定し、新しい組織が作られ始めている正常な治癒の証拠であり、いわば「天然の絆創膏」のような役割を果たしていますので、ご心配いりません。無理に触ったり、取ろうとしたりすることは避けてください。
ただし、もし白いものが激しい痛みや強い腫れを伴う場合、または明らかに黄色みがかった膿が出ているように見える場合は、感染の可能性があります。このような場合は、自己判断せずに速やかに歯科医院に相談し、適切な診断と処置を受けてください。
こんな症状はすぐに歯科医院へ!受診すべきサイン
親知らずの抜歯後、ご自身の症状が回復過程で起こるものなのか、それとも専門家の助けが必要なものなのかを判断するのは難しいものです。しかし、いくつかの症状は、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、ためらわずに歯科医院へ連絡し、受診する必要があります。
特に注意が必要なサインは以下の通りです。
清潔なガーゼを30分以上しっかり噛んで圧迫しても、鮮血が止まらない場合
抜歯後2〜3日で一旦治まっていた痛みが、抜歯後3〜5日目あたりから再び強くなり、脈打つような激しい痛みに変わった場合
抜歯した側の顔が大きく腫れ上がり、口が開きにくくなったり、食べ物を飲み込みにくくなったりした場合
38度以上の高熱や悪寒が続く場合
抜歯した部分から、明らかに黄色や緑色の膿が出ている場合、または強い悪臭を伴う場合
舌や唇、顎などにしびれがあり、数日経っても改善しない場合
これらの症状は、ドライソケットや感染症、神経損傷などの可能性を示唆しています。ご自身で判断せずに、すぐに歯科医院に連絡し、適切な診断と治療を受けることが、さらなる悪化を防ぎ、スムーズな回復へとつながります。夜間や休日に症状が出た場合は、緊急歯科診療を行っている医療機関への受診も検討してください。
まとめ:正しいケアで不安を解消し、スムーズな回復を目指そう
親知らずの抜歯後は、普段の生活に戻るまで何かと不安が尽きないものですが、正しい知識と適切なケアを実践することで、その不安は大きく軽減されます。
抜歯後の回復において、最も大切にしていただきたいのは、抜歯した穴にできる「血餅(けっぺい)」を守ることです。この血餅は、傷口を保護し、骨の治癒を促す天然の絆創膏のような役割を果たします。そのため、血餅を洗い流してしまう可能性のある「強いうがい」や、傷口を刺激してしまう「過度な歯磨き」は避けるようにしましょう。
この記事でご紹介したように、抜歯直後から抜糸後まで、時期に応じた正しい歯磨き方法や、出血時、食べカスが詰まった時などの具体的な対処法を実践することで、感染やドライソケットといったトラブルのリスクを最小限に抑えることができます。また、低刺激の歯ブラシや歯磨き粉、うがい薬を選ぶことも、安全な口腔ケアには欠かせません。
もし、今回お伝えした「すぐに歯科医院を受診すべきサイン」に当てはまる症状が出た場合は、決して無理に我慢せず、ためらわずに専門家である歯科医師に相談することが、安心への一番の近道です。この記事が、親知らず抜歯後の回復期間を安心して過ごすための一助となれば幸いです。正しいケアで不安を解消し、一日も早いスムーズな回復を目指しましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
近藤 光 | Kondo Hikaru
東京歯科大学卒業後、医療法人社団歯友会赤羽歯科に勤務し、その後、池袋診療所をはじめとする複数の歯科医院で経験を積み、フリーランス矯正歯科医として活動を開始。
その後、カメアリデンタル、デンタルクリニックピュア恵比寿、茅ヶ崎アルカディア歯科・矯正歯科、フォルテはにゅうモール歯科、舞浜マーメイド歯科など、多くの歯科医院で勤務を重ね、2023年12月赤坂B&S歯科・矯正歯科 開院。
【所属】
- 日本顎咬合学会
- 日本審美歯科学会
- 日本成人矯正歯科学会
- 日本舌側矯正歯科学会
- 日本メタルフリー学会
- 日本接着歯科学会
- 日本アライナー矯正研究会
- 日本顎顔面美容医療協会 認定医
- ICOI(国際口腔インプラント学会)
- 日本一般臨床矯正研究会
- OTEXE
- インディアナ大学歯学部矯正科認定医
【略歴】
- 東京歯科大学 卒業
- 医療法人社団歯友会赤羽歯科
- 同法人池袋診療所 入局
- 医療法人スマイルコンセプト
- 高田歯科インプラントセンター
- しんみ歯科
- 医療法人社団優綾会カメアリデンタル 矯正歯科担当医
- デンタルクリニックピュア恵比寿 矯正歯科担当医
- 医療法人社団角理会 茅ヶ崎アルカディア歯科・矯正歯科 矯正歯科担当医
- 医療法人恵優会フォルテはにゅうモール歯科 矯正歯科担当医
- 舞浜マーメイド歯科 矯正歯科担当医
- 医療法人恵優会かすかべモール歯科 矯正歯科担当医
- レフィーノデンタルクリニック 矯正歯科担当医
- 医療法人社団カムイ会柏なかよし矯正歯科・小児歯科 矯正歯科担当医
赤坂の歯医者・矯正歯科
『赤坂B&S歯科・矯正歯科』
住所:東京都港区赤坂3-2-2 日総第24ビル1・2F
TEL:03-5544-9426